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半導体「後発組」の日本企業にも脚光。世界が欲しがる最先端“材料”で成長する5社とは?=田嶋智太郎

東洋炭素<5310>

高機能カーボンの専業メーカー。6日の日経朝刊で、半導体製造装置の基幹部材を、日本や米国で増産と報じられた。電気自動車(EV)向けに炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の需要が高まっており、SiCウエハーを載せる台座となる「サセプター」と呼ぶ基幹部材の一層の増産が必要になると判断したもよう。想像を上回るペースで需要が拡大しており、すでに生産が追いついていないという。

EVの普及に伴ってSiCパワー半導体需給がタイトになっており、半導体製造装置に加えて、定期的に交換が必要なサセプターの需要も増える見通し。

足元は、特殊黒鉛が半導体向け軸に鋭伸。複合材も堅調。23年12月期は、売上高が前期比10.8%増の485億円、営業利益は同27.5%増の85億円、純利益は同35.1%増の70億円を見込む。

東洋炭素<5310> 日足(SBI証券提供)

東洋炭素<5310> 日足(SBI証券提供)

株価は、一目均衡表の週足「雲」上限が下値をサポートする格好となっており、週足のMACDはマイナス圏で推移。来期(25年12月期)も増収・営業増益になると市場は見ており、株価の底入れ・反発も近いと見る。

TOPPANホールディングス<7911>

5日の日経朝刊で、3月末に経営破綻したJOLED(ジェイオーレッド)の能美事業所(石川県能美市)を買収したと報じられた。買収後は生成AI(人工知能)向けに需要が増える半導体パッケージ基板の生産や開発拠点として活用。2027年以降に稼働させる計画で、将来は会社全体の基板の生産能力を22年度比4倍に高める。

もともと、プリント配線板と大規模集積回路(LSI)をつなぐFC-BGAという基板を唯一生産する新潟工場(新潟県新発田市)の生産能力を25年度に22年度比で2倍に増やすことを計画している。
増強後は新潟工場での拡張余地がなくなるため、新拠点を求めていた。

目下は半導体関連事業の拡大に力を入れており、25年度までの3年間で半導体基板を含むエレクトロニクス製品の生産能力増強に約600億円を投じる。

24年3月期は、売上高が前期比0.4%増の1兆6450億円、営業利益は同1.8%増の780億円、純利益は同11.7%増の680億円を見込んでいる。

TOPPANホールディングス<7911> 日足(SBI証券提供)

TOPPANホールディングス<7911> 日足(SBI証券提供)

株価は7日に年初来高値を更新し、目先は調整含みの展開。26週移動平均線が下値サポート役として機能しており、下値余地はある程度限られると見る。

Next: まだある注目の半導体銘柄。いまが仕込み時か?

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