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これから上がる「低PBR株」3つの特徴とは?長期投資家が狙うべき銘柄とタイミング=栫井駿介

PBRが上がるための方策

ただ単に株価向上策を示すだけではカタリストとはなり得ません。
その中身は重要となります。

低PBRを解消するためには何が必要なのでしょうか。

<株主還元(配当、自社株買い)>

配当や自社株買いによって、株主に会社の利益を還元することを示せば、疑念が解消され、PBR上昇につながります。

<資本収益力向上>

資本収益性を表す指標としてROEが使われますが、持っている純資産を活かしてより利益を生んでいくことを示すことが重要です。
ROEの向上はPBRを上げるために不可欠な条件となります。

<IR強化>

これらを実現するには、単に数字を示すだけでなく、中期経営計画などで具体的でロジカルな戦略を示さなければなりません。

例えば、セイノーは2023年5月に中期経営計画を発表し、その後大きく株価が上がり、そのまま維持しています。

セイノーホールディングス<9076> 日足(SBI証券提供)

セイノーホールディングス<9076> 日足(SBI証券提供)

PBRも発表前は0.6倍ほどだったものが、一時は0.92倍と1倍に近いところまで上がりました。

このように、経営を改善する覚悟と、納得できる方策を示すことができれば、株価は上がっていきます。

これから上がる企業は?

これは東証が公表した、経営改善策を示した企業と示していない企業の資料です。

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出典:「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示状況

既に開示した企業の中では、セイノーのように大きく株価を上げた企業もありました。

逆に、まだ検討中、あるいは記載なしの企業はこれから開示することによって上がる可能性があるということです。
つまり、まだ開示していない企業で、上手い計画を発表するのではと思われる企業は要注目ということです。
これまでの業績が安定していて期待の持てる企業が、今PBRが低いのであれば、カタリストとなる可能性が十分に考えられます。

ただし、セイノーもそうだったのですが、一度株価が上がったとしても、継続的に上がり続けるものではありません。
また、方策は示したものの実行できておらず、業績も上がらないということもあるので、注視し続ける必要があります。

Next: 日本株にチャンス到来?これから上がる企業とは

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