週末の雇用統計は非農業部門従事者数が予想を大きく下回ったものの失業率は大きく改善。ただ、今の日本市場は米国株式市場というよりは為替に反応する動きとなっています。(清水洋介の株式相場展望 -週報-)
今週の株価展望~各市場テクニカル分析と予想レンジ(6/5)
今週の相場見通し
米国市場
先週の米国市場は上値の重い展開となりましたが、逆に売り切れないというような雰囲気でした。
主要な経済指標は予想を下回るものも見られたのですが、特に売り急ぐということでもなく、週末の雇用統計も非農業部門従事者数が予想を大きく下回ったものの失業率は大きく改善しており、市場でも反応はまちまちという感じでした。
ISM(米サプライマネジメント協会)景況感指数も製造業は予想を上回り、非製造業が予想を下回るというような状況であり、また、利上げに対してもドル高を嫌気するようであり、好調な指標を好感する動きでもあり、結局は反応し切れないということなのでしょう。
今週の米国市場は引き続き利上げを巡る動きに翻弄されそうです。買い切れず、売り切れずということで方向感に乏しい展開というよりは、右往左往しながら大きな方向が見られないということになりそうです。
今週は火曜日に労働生産性、水曜日には未明に消費者信用残高が発表され、夜には求人労働異動調査が発表になります。木曜日には卸売売上高・在庫、そして土曜日未明に財政収支が発表になります。また月曜日のイエレンFRB(連邦準備理事会)議長の講演が注目されているように、金融当局高官の利上げを巡る発言などに市場は振らされることになりそうです。
日本市場
先週の日本市場は米国株式市場というよりは為替に反応する動きとなり、いったん上値を試す動きになったものの週末にかけて急落となりました。
相変わらず乱高下というか値動きの荒い相場となっているという感じで、改めて上値の重さ、基調の鈍さを確認したということなのでしょう。足元の景況が悪いというよりは、為替動向を見ながら先物の仕掛け的な売り買いに振り回されているということなのだと思います。
今週は週初は週末の米雇用統計に反応した為替に反応して大きく売られて始まりそうです。ただ、まだ米利上げがなくなったということでもなく、FRB議長の講演などをにらんで為替に反応する動きになるのでしょう。円高が進むということでなければ買い直される場面も出てくるのでしょうし、そのためには米国の利上げ次第ということになりそうです。
為替の影響が少ない食品株などはしっかりとした動きになっており、売られすぎた銘柄に買戻しや買い直しの動きが見られると急反発となることもありそうです。為替次第ということなのでしょうが、底堅さも見られそうです。
今週は火曜日に外貨準備高や景気動向指数、ESPフォーキャスト調査などが発表され、水曜日にはGDP(国内総生産)改定値や経常収支、企業倒産件数や景気ウォッチャー調査が発表されます。木曜日にはマネーストックや機械受注、工作機械受注やオフィスビル市況が発表されます。金曜日は企業物価指数や第3次産業活動指数が発表されます。