株価が下がる3つの要因
直近の最高値は22年11月の3,100円です。
ちょうどこの時期はオリンパスが目安としていた「営業利益率20%を達成できる」という期待が高まっていた時期でもありました。これを踏まえると、「やや割高だった」と考えることもできます。
しかし、現在の株価は約2,150円です。やや下がりすぎという印象もあります。
この理由は「目標を達成した後、やたら悪いニュースが多いため」だと考えています。
まず1つ目の要因が、23年7月ごろに米食品医薬品局(FDA)から「日本の開発拠点及び工場の査察を行った結果、製品製造工程の履歴管理などに問題がある」と、指摘を受けたことです。これによって、今後3年間で600億円の費用の捻出が必要とされています。
当然業績に対しては、悪影響となります。
2つ目の要因は、23年9月に米国の子会社VMTで発生した問題です。同社が開発する電磁ナビゲーションシステムと関連製品について製造販売を中止することとなりました。その理由は、自主調査の結果、VMT社の技術や製品がオリンパスの品質基準に適合しないことが判明したためです。
この影響によって、24年3月期の決算は大幅に下方修正されています。
出典:決算短信より作成
このサプライズの影響で株価は下落したものと考えます。
また、24年の年初に発生した能登半島地震も悪影響です。
石川県に所在するサプライヤーから内視鏡部品の調達をしていましたが、そのサプライヤーは操業を停止してしまいました。この影響によって売上に対し240億円の悪影響があるとされていました。
しかし、この点については部品調達先の復旧作業が想定以上に進んでおり、240億円より縮小する見込みとされています。
<22年から株価が下がった理由は?>
要因その1:米食品医薬品局(FDA)による管理体制の指摘
要因その2:製品の品質に問題発生
要因その3:能登半島地震による影響
これらが株価下落を招いているものと考えます。