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顧客の腕時計を早々と売却…当初から“詐欺まがい”だったトケマッチ。「カリトケ」「さらば森田」などへの“二次被害”も深刻に

今年1月末に突如サービスを終了した腕時計シェアリング事業「トケマッチ」に関して、サービスが始まった2021年1月から1年あまりの時点で、顧客の腕時計がすでに売りに出されていたことが判明したと報じられている。

これは「トケマッチ」被害者ら約190人による団体「トケマッチ対策本部」の調査により判明したもの。

とある被害者のケースでは、腕時計34本(総額約2,000万円相当)をトケマッチ側に預託していたが、法人解散を発表した1月31日に3本が戻されたものの、残りの31本は未返却のまま。その未返却の31本のうち、3本はすでにオークションサイトに出品されていたことが判明しており、さらにそのうちの1本(35万円相当)は、サービス開始から1年3カ月後の22年4月に出品されていたという。

腕時計“レンタル側”からの被害相談はゼロ

高級腕時計の所有者と、それを一定期間借りたいという人間との間を繋ぎ、そこで得たレンタル料から、腕時計所有者への預託使用料と自社の利益を捻出するというのが、ザックリとしたビジネスモデルだとされていたトケマッチ。

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ただ、実際にはトケマッチのもとに集められた腕時計は、早い段階で売られてしまっていたということで、上記のビジネスモデルは早々に“絵に描いた餅”といった状況と化していたようだ。

そもそもトケマッチに関しては、同サービスを通じて腕時計を“レンタルした”という声が、SNS上などをみてもほとんど見当たらないといった状況が、かねてから不審がられていたのだが、実際今月5日までに国民生活センターに寄せられた相談・全61件のうち、そのすべてが腕時計の所有者からだったようで、逆にレンタルした側からの相談は皆無だったとのこと。

さらに捜査関係者への取材によれば、会社関連の口座には腕時計を借りた人からのレンタル料の入金が、今のところ確認されていないといったも。

こうしたことから、上記にあげたビジネスモデルのなかでも、とりわけ腕時計を“レンタルしたい”とするユーザーの存在は、どうやら“嘘八百”だったよう。実際には腕時計所有者から、高級時計を安価にせしめるのが目的で、そんな所有者を安心させるべく、腕時計の売却益を預託使用料に回していたというのが実際のようである。

こうしてみると、まさに当初から懸念されていたポンジスキームそのものの構図なわけだが、そんなある意味で自転車操業的なやりくりも、長くは維持できるものではないのは当然。

そういったことからかトケマッチでは、23年11月から腕時計を預ければ特典でアマゾンギフト券を贈るというキャンペーンを開始し、さらなる“腕時計集め”に躍起となっていたいっぽう、サービス終了直前だった今年1月には、あたかも逃走資金を作るかのように、高級腕時計の売却を集中的に行っていたとのこと。

さらにそれと並行して、アラブ首長国連邦への在留許可の取得に向けた書類準備なども進めていたようで、サービス終了が伝えられた1月末にはトケマッチ運営会社の代表だった人物らはすぐさまドバイへ出国。入国間もない2月上旬には、2年間の在留許可を取得していたということで、昨年下旬の段階においてもう高飛びする気で満々だったようだ。

被害届は33都道府県に拡大

このように、まさに案の定といった展開を辿っているトケマッチ事件なのだが、その被害の全貌も、いまだはっきりとしていないのが実際のところ。

先週6日時点の報道では、13都府県で44件の被害届が受理され、また被害者の会のまとめによれば、被害総額は18億2,000万円相当にのぼる……という話があったのだが、今週になり被害届に関しては、33都道府県警が計173件を受理したとの報道があり、今後さらにその数が増え、また被害額も膨らむ可能性も無きにしも非ずといったようだ。

いっぽうで、今回の一連の騒動における“二次被害”も表面化しているところで、例えば月額制でブランド腕時計のレンタルを行っているサービス「カリトケ」においては、トケマッチ事件の発覚以降、顧客やメディアからの問い合わせが殺到しているようで、自社サイトに「トケマッチに関する報道について」なるリリースを出す事態に。

ちなみにカリトケに関しては、レンタルする腕時計を業務提携先であるリース会社や、中古腕時計を扱うリユース事業者など、主に法人から調達しており、個人オーナー所有の腕時計のレンタルは一部に留まるとのこと。また個人オーナーからの時計提供に関しては、その受付を2022年5月に停止しているとのことだ。

さらに、トケマッチがサービスの知名度を拡大させるために、テレビや雑誌などのメディアに精力的に露出していた時期に、運営会社の代表だった人物との対談企画に登場していた「さらば青春の光」の森田哲矢さんも、ある意味で被害を被っている存在。

どうやら、運営会社の代表だった人物と“同窓生”だったということで、まさかの形で広告塔に仕立て上げられたといったところのようだが、その反面で当時運営会社の代表だった人物は、学生時代とは異なるであろう偽名を使っていたということから、その点に関して森田さんは何も思わなかったのか……といった声も、一部からはあがっているようだ。

とにかく、こういった二次被害も含めた一連の騒動の収拾のためにも、とにかく運営会社の代表だった人物の逮捕が急がれるところで、すでに指名手配もされているようなのだが、先述の通りすでにドバイに出国済み。同じくドバイに逃亡したガーシーこと東谷義和氏の昨年のケースでも、逮捕状請求から逮捕までには3か月ほど擁しており、今回も逮捕はまだ先のこととなりそうな情勢である。

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