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NYの視点:米インフレ根強く年内の利下げに疑問も、3月FOMCでは金利見通しに注目

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米国労働統計局が発表した2月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.6%となった。伸びは1月+0.3%から予想外に拡大し、昨年8月来で最大。前年比では+1.6%と、伸びは1月から予想以上に拡大し、昨年9月来で最大となった。1月分は+1.0%と、+0.9%から上方修正された。燃料や食品を除いたPPIコア指数は前月比+0.3%と、1月+0.5%から伸び鈍化も予想を上回った。前年比では+2.0%と、伸び鈍化予想に反し、1月と同水準を維持。12月に+1.8%まで減速後、改善が停滞している。

1月は消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったものの、PPIが予想に一致したため市場の懸念が緩和した。しかし、2月分はCPIと同様にPPIも予想の2倍程、加速した。市場は、CPIよりもPCEとの関連性が強いPPIへの注目度を高めている。

根強いインフレを受けて、FRBの利下げが先送りされるとの見方も強まりつつある。一部のエコノミストは年内の利下げは見送られると見ている。3月連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置くことはほぼ確実と見られるが、同時に発表されるスタッフ予測に注目が集まる。前回12月の見通しでは今年3回の利下げを予想していた。ここにきてインフレの改善のペースが鈍化、2%目標達成にも想定以上に時間がかかる可能性も浮上した。

債券市場ではインフレが依然目標の2%を上回る中、FRB高官が果たして年3回の利下げを維持するかどうかに焦点をあてている。さらに、今年だけでなく、来年の利下げ見通しにも焦点をあてている投資家も少なくない。前回、25年には1%ポイントの利下げを予想。FOMC後に発表された10-12月のGDPは潜在的水準を上回り、25年も潜在的水準を上回るペースでの成長の軌道にある。イエレン財務長官はインタビューで、新型コロナウイルス禍を契機としたインフレ高進や利回り上昇の前に推移していた水準に市場金利が戻る「公算は小さい」との認識を示している。利上げは終了し、次の行動は利下げと見られるが、景気が引き続き強く、インフレが目標達成するさらなる確信につながるデータは見られず、年内の利下げ開始を疑問視する投資家もいる。ドルが再び上昇する可能性もある。

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