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NYの視点:米雇用依然強く、住宅市場も回復で利下げ先送りも、来週のパウエル議長講演に注目

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連邦準備制度理事会(FRB)は19日から20日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5会合連続で据え置き、同時に発表された金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)では、最近の予想を上回ったインフレ指標にもかかわらず、中間予想で12月と同様に年内3回の利下げ予想が維持された。さらに、パウエル議長も年内のどこかで利下げをすることになると想定していることを明らかにした。議長は1月のインフレの強い結果が季節的要因が大きく影響しており、インフレは引き続き鈍化の軌道にあると見ている。一部のエコノミストは、FRBが利下げ開始を望んでいるようで、正当化させる理由を探していると指摘している。

ただ、最近のデータでは、労働市場は依然強く、住宅市場も春のピークに向けて力強い結果が目立つ。米労働省が発表した最新の週次新規失業保険申請件数(3/16)は前週比2000件減の21万件と、予想21.3万件を下回った。米2月中古住宅販売件数は前月比+9.5%の438万戸と、1月400万戸から減少予想に反し増加し、1年ぶりの高水準となり、春のピークシーズンに向け住宅市場の強い回復があらたに証明された。3月NAHB住宅市場指数も51と、予想外に2月48から上昇した。

実際、ドット・プロットにおいて、当局者は本年の成長見通しやコアCPI予想が引き上げ、失業率見通しを引き下げており、むしろ、利下げが遠のく形。

■FOMC予測:2024年中間
GDP:2.0%-2.4%(12月1.2%-1.7%)
失業率:3.8%-4.5%(3.9%-4.5%)
PCEコア価格指数:2.5%-2.8%(2.4%‐2.7%)

今後のデータ次第では、利下げ先送り、6月のFOMCの見通し待ちとなる確率もゼロではない。直近では、パウエル議長が29日にマクロ経済、金融政策会議で講演、質疑応答が予定されており、内容に注目される。ただ、この日、米国市場はグッド・フライデーで債券、株式市場は休場となる。

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