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富士ソフト Research Memo(7):2024年12月期は産業構造変換の追い風を受け11期連続の増収、営業増益

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■今後の見通し

2024年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比5.4%増の315,000百万円、営業利益が同6.4%増の22,000百万円、経常利益が同10.8%増の21,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同77.2%増の21,000百万円と、2013年に12月期決算へ移行してから実質的に11期連続での増収及び営業増益を目標としている。

長期化する資源・エネルギーコストの高騰や物価高に加え、世界的なインフレ抑止としての金融引き締めによる金利上昇など先行き不透明感などの不安材料はあるものの、経済活動の正常化を背景に、緩やかに景気回復の動きが続いている。しかし富士ソフト<9749>としては、主力であるシステム構築分野で金融・製造・自動車等の業種での旺盛なIT投資需要を背景とした受注増が今後も期待できると考えているようだ。また、同社のIoTや「AIS-CRM」を核とする事業サービスの提供力は高く、その面では主力のシステム構築分野での受注獲得は引き続き順調に推移するのではと弊社としては考えている。加えて受注残も堅調に積みあがっており、全体としての売上高の達成の確度は高いものと考えられる。一方、個別で見るとプロダクト・サービス分野では、他社プロダクトの販売動向が鍵を握るが、2023年12月期末時点の受注残も鑑みると横ばいの状況が続くと見ている。アウトソーシングサービスについては、主にグループ会社による海外での保守運用案件の提供が中心であるが、現地経済の不透明化の影響もあって今後も厳しい状況が続くと弊社では見ている。

売上の好調の一方で、2024年12月期は不動産流動化に伴うファシリティ事業の縮小やオフィス移転費用の増加を見込み、中長期での成長に向けた新規事業投資も実施するとしている。これらは利益の圧迫要因になり得る。また不動産流動化の影響を除いた営業利益としては前期比12.2%増の23,200百万円としているが、同社としてもこの予想はチャレンジングなレベルだという見方をしているもよう。しかし、同社としてはグループシナジーの追求や、プライム(顧客からの直接受注比率)の向上等による顧客提供価値向上、適切な資本配分の推進によって、さらなる成長と収益性や資本効率の改善に挑むとしており、今後の動向が注目される。

なお、本予想には不動産流動化対象レベル「A判定」とした物件8件の売却益59億円(税後)を含むものとしており、それ以外の売却については詳細が確定次第開示することとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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