ジム・ロジャーズ氏が「日本円は安くなり続ける」と警告する理由。このまま日本円だけを持っていても大丈夫か？

※『世界三大投資家ジム・ロジャーズの「Make Japan Great Again」』次号は2024年4月7日配信です。ご興味を持たれた方はこの機会にご購読ください。

読者からジム・ロジャーズ氏への質問その1：このまま日本円を持っていても大丈夫？

読者：私は将来の日本経済（日本の銀行）を懸念し、シンガポールの銀行に日本円を保有しています。

しかし、現在の状況を見ると、日本よりもアメリカの方が先に破綻するのでは……と考えるようになり、外貨より日本円を多く所有しています。

このまま日本円を持っていても大丈夫と思いますか？

また、日本国内で円を所有するのと、海外の銀行で円を所有するのと、リスクに違いはありますか？おすすめの通貨（安全な通貨）も教えていただきたいです。

ジム・ロジャーズ氏の回答：安全な通貨などない

ジム・ロジャーズ氏：もちろん、日米の両者が一緒に破綻する可能性はあります。なぜなら、好むと好まざるとにかかわらず、両国の行動はすべて互いに影響し合うからです。

日本の銀行で円を保有するリスクと、外国の銀行で円を保有するリスクとに、大きな違いがあるかに関しては、あまり違いはないと思います。

ただ、もし本当に日本の状況が悪くなり始めたら、日本が為替管理を始める可能性があるということです。そうなると、日本円は動かせなくなります。

日本以外の国では、円はそれほど使われていませんが、為替管理が始まると海外で円は使えなくなります。そのような状況になったら、困るでしょうね。

読者のために安全な通貨を推薦して欲しいと言うことですが、第一に、安全という言葉はありません。投資について語るとき、安全なものなどないのです。

確かに、歴史的にスイスフランは、他の多くの国々と比べて、より悪くない選択肢でした。しかし、現在はスイスフランであっても安心をすることはできません。

私は、世界で安全な通貨や安全にお金を置くことができるという国を知りません。投資にはリスクはつきもので、安全だと聞いたから安心してはいけません。