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ジオコード、Web広告と「ネクストSFA」が引き続き伸長 オーガニックマーケティングをカバーし増収で着地

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2024年4月12日に発表された、株式会社ジオコード2024年2月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

会社基本情報

原口大輔氏:代表取締役社長の原口です。当社は株式会社ジオコードと言い、2005年2月に設立しました。20期が終わり、現在は21期になります。少しまぎらわしいのですが、以前、決算期を変更したことがあり、現在は19周年を迎えて20周年目に入ったところです。

社員数は2024年4月1日現在で122名です。本社はJR新宿ミライナタワーというところにあり、100名強の社員が働いています。関西支社はグランフロント大阪というところにあり、10名程度の社員が働いています。

また、静岡営業所を「静岡やらまいかデジタルラボ」という名称に変更しました。広告や制作などの運用の拠点にしていきたいと思っています。

事業内容

事業内容ですが、大きく分けるとWebマーケティング事業とクラウドセールステック事業の2つを行っています。

Webマーケティング事業のうち、SEO対策とWeb制作の2つを合わせてオーガニックマーケティングと呼んでいて、自然検索から集客、受注までのお手伝いをすべて行っています。もう1つのWeb広告では、Google広告、Yahoo!広告やSNS広告など、運用型広告と呼ばれるものを取り扱っています。

クラウドセールステック事業では、SFA、CRM、顧客管理、営業管理、さらにマーケティングオートメーションといった顧客創出に必要な機能を備えた「ネクストSFA」というツールを提供しています。また、勤怠管理と交通費・経費精算の「ネクストICカード」というツールも提供しています。これら2つを提供しているのがクラウドセールステック事業になります。

事業概要としては、「Webマーケティング&営業DXで、集客から、受注までのすべてを一社完結」するということをテーマに掲げています。

サービス相関図

スライドの図では当社サービスを時系列順に、左から右へ並べています。

集客については、オーガニックマーケティングという自然検索からの集客と、Web広告というGoogle広告、Yahoo!広告、Facebook、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS広告、また国内の主要な運用型広告のほぼすべてに取り扱い実績があります。

それらを駆使して集客し、お客さまのサービスに合わせてマーケティングを行うことができます。

物販のECサイトのお客さまもいますが、当社のお客さまの多くはサービスを提供されています。そのため、Web上のゴールは資料請求や見積もり依頼、予約などですが、最終的には「受注・売上」までいかなければいけません。

そこから先は、先ほどご説明したマーケティングや営業支援、顧客管理などの機能を兼ね備えた「ネクストSFA」を駆使していただき、しっかりと問い合わせに対応し、受注までをテクニカルに追ってもらうことになります。

問い合わせも、すべてが熱い見込み客ではないと思います。「ただの資料請求です」「少しだけ資料が読みたいです」という問い合わせもけっこう多いです。そのような問い合わせもしっかりと大事にして、その後もきちんとメールや情報を送って育てることで、熱い見込み客に変えていくと、案件の受注につながります。

そのため、当社は「Webマーケティング&営業DXで、集客から、受注までの全てを一社完結」というキャッチコピーを掲げています。

他社との違いとして3つの強みがあります。

1つ目はオーガニックマーケティングです。SEO対策やWeb制作、さらにリスティング、SNS広告、アフィリエイト広告といった集客から制作のすべてを1社で完結できる会社は、ありそうでないということです。同業他社はかなりあるものの、各ジャンルに特化されており、1社で完結できるところが実は少ないのです。

2つ目は先ほどお伝えした、「ネクストSFA」というツールを持っていることです。一般のWeb広告代理店やマーケティング会社では、見積もり依頼や資料請求をWeb上のゴールとして、「広告が何件取れていますね」「いくらで取れていますね」「うまくいっていますね」というやり取りをします。

当社の場合は、もちろんそれだけのお客さまもいますが、さらにその先で「ネクストSFA」を使っていただき、受注のところまで追ってもらいます。そのため、本来のゴールである受注を含めた、効率の良いマーケティングができます。

3つ目はオーガニックマーケティングに関することで、私たちはもともとSEO対策の会社として19年前に始まりましたので、SEO対策という事業において非常に強みを持っています。

SEO対策の歴史は19年間で多様に変化しました。昔は技術とは言えないような簡単なもので、要するに知っているかいないかの違いだけでした。そのようなところから、Googleの検索エンジンも、レベルがどんどん上がってきました。

そのような中でSEO対策の会社も次第に淘汰され、しっかりした技術を持つ、きちんとした会社だけが残りました。現在上場している会社やそれなりの規模になっているSEO対策の会社は、そもそも数少ない企業の中から生き残ってきています。

いわゆるSEO対策の会社は比較的手を動かさない、コンサルティングの会社が多いです。当社の場合は、SEO対策の会社でもあり、Web制作会社でもあり、Web広告代理店でもあります。そのため、SEO対策のコンサルも行いますが、コンテンツや記事作成、デザイン、UI・UX改善やWeb制作、1から作り直しという制作も行います。したがって、SEO対策マーケティングの部分でもすべて担うというところで、他社に優位性を持っています。

対象顧客

こちらも強みだと思うのですが、私たちは特定の業種に特化しているわけではありません。不動産や金融に特化しているとか、美容に特化しているわけではなく、一番多い割合でも不動産が8パーセント程度、建設が7パーセント程度です。

マーケティング、システム、医薬・化粧品、教育など、非常に多業種に分散していますので、特定の業種に依存していて、大きく影響を受けるということもありません。

2024年2月期決算サマリー

実績をご説明します。2024年2月期は、売上高が15億2,000万円、前年同期比でプラス0.1パーセントと、ギリギリですがなんとか上回りました。ただし、業績予想には大きく届かなかったということになります。

ポイントですが、オーガニックマーケティングの売上が9億2,800万円と、前年同期比で9.4パーセント減少しました。ただし、Web広告の売上が4億900万円で、前年同期比プラス16.5パーセントと大きく伸長しています。

クラウドセールステックの売上も1億8,200万円で、前年同期比28.0パーセントと伸びています。ただし、その伸びた分がオーガニックマーケティングで減少しており、結果としては15億2,000万円で微増となりました。

営業利益は赤字でマイナス500万円です。ただし当期純利益は1,400万円で、営業外収益で2,800万円程度のプラスがありますので、それを入れると当期純利益では黒字ということになります。

2024年2月期 実績(前年同期比)

売上高は前年同期の15億1,900万円から15億2,000万円と、プラス100万円、前期比0.1パーセント増となっています。販管費は5,700万円増えており、営業利益は先ほどお伝えしたとおり、前年同期の9,700万円からマイナス500万円となっており、営業利益が約1億円程度減少しています。

2024年2月期 実績(業績予想との比較)

業績予想では売上高を16億円と予想していたのですが、結果は15億2,000万円と、予想からは約8,000万円離れています。営業利益は1,000万円の予想からマイナス500万円、1,500万円減となっています。

2024年2月期は不正事案があったため、業績予想を期初に出すことができませんでした。2023年10月に出したものの、そこからこの程度乖離しています。

要因としては、売上が上がっていれば必ず利益も伸長していたのですが、Web制作の大型案件の納品がいくつか遅れたことが挙げられます。広告は絶好調ではあるものの、もう少し伸びると予想していました。クラウドセールステックについても、もう少し伸びると予想していましたが、まんべんなく未達という結果になりました。売上が予想からこれだけ離れると、さすがに利益もマイナスになってしまうということです。

2024年2月期 業績の推移(累計/直近2期比)

業績の推移です。この3期を比べると、売上の総額は18期が15億5,400万円と、売上は大きくは変わっていないのですが、利益はご覧のとおり2億円近く減っています。

2024年2月期に関しては、不正事案に対する費用がかかっていますので、その分がそのまま影響しました。そのため、毎年第1四半期は少ないのですが、さらにこのようなスタートになってしまいました。最後は少し追い上げたものの、予想には至らず、最終的にはマイナスになっています。

2024年2月期 業績の推移(四半期/直近2期比)

営業利益はスライドに記載のとおり減少しました。理由としては、やはり不正事案関連の費用がかかっているためです。そのほか、外注費や人件費、広告宣伝費がかかったことで、売上は下がっていないのですが、利益が下がってしまいました。

ただ、人件費や広告費など、まだ売上に反映されていない部分もあるので、今後に期待していただければと思っています。

2024年2月期 売上高(内訳)

繰り返しになりますが、売上高としてはWeb広告がプラス16.5パーセント、「ネクストSFA」がプラス63.6パーセント、クラウドセールステック事業は合わせてプラス28.0パーセントです。

改善すべき点は、オーガニックマーケティングのSEO対策の部分です。もちろん、こちらに関してもいろいろな種を蒔いて手を打ち、投資を行っています。

2024年2月期 売上高の推移 オーガニックマーケティング(直近2期比)

オーガニックマーケティングについては、スライドに記載のとおり落ちてきているのですが、今は少し復活してきている状況です。下げ止まり、これまで蒔いた種を回収しているというフェーズになっています。

2024年2月期 売上高の推移 Web広告(直近2期比)

Web広告については、この3年間で四半期ごとにずっときれいに伸びてきています。今もしっかり投資していますので、今後も当面は前年比115パーセントから120パーセントは伸長すると思っています。

2024年2月期 売上高の推移 クラウドセールステック(直近2期比)

「ネクストSFA」を含むクラウドセールステックについても、四半期ごとにきれいに伸長しています。開発案件が入るとスポットで上がるのですが、それ以外は月額のサービスになっています。

こちらのサービスについては、継続率98パーセントという驚異の継続率を誇っています。また、機能の開発についても、ライバルに負けていないと思いますので、マーケティングを強化すればさらに伸ばしていけると考えています。

不正事案に関する再発防止策の実施・確認状況及び今後の継続的な取組

2023年3月に発覚したWebサイト制作事業での不正事案に関する再発防止策を実行してきました。Webサイト制作取引における業務プロセス統制の再構築や、他部門によるモニタリングの仕組み作りに加えて、Webサイト制作だけではなく全社での対応策も行ってきました。

1年間取り組んできて、再発防止策の実施状況の確認を終えたところになります。最終的には監査法人のレビューを受けて、2024年2月期は完了となります。二度とこのようなことが起こらないよう、今後も継続的な改善に取り組んでいこうと考えています。

株主還元

配当についてです。告知していたとおり、普通配当17円に20期記念配当の3円をプラスして、1株当たり20円の配当を決定しました。

2025年2月期 通期業績予想

業績予想です。今年は種を蒔いてさまざまな施策を行っており、それらを積み上げて、努力目標ではなく十分に達成できる数字を予想しています。売上高は17億1,500万円、前年比プラス約13パーセントを見込んでいます。

営業利益についてはここがゴールではなく、5億円から10億円を目指していますので、昨年に引き続き大きな投資が必要になるフェーズになっています。

もともと営業利益が一番多かった時は2億円程度だったのですが、その時とは投資している金額と人数が違いますので、4,000万円の予想にとどめています。

今期達成するための施策としては、基本方針で掲げているとおり、Web広告事業、オーガニックマーケティング事業、クラウドセールステック事業のすべてを伸ばします。もちろん効率良く伸長する事業に一番多く投資するのはもちろんですが、取り組んでいる事業はすべて伸ばしていきたいと考えています。

市場環境:インターネット広告費の推移

市場環境についてです。まずはWeb広告の市場規模です。みなさまもご存じのとおり、Web広告は新しいサービスではありませんが、まだ伸長しています。市場規模はむしろ直近のほうが伸びています。

Web広告

私たちは強みとして、Googleの「Premier Partner」というものと、「Yahoo! Japan セールスパートナー認定パートナー」というものを持っており、この両方で選ばれている、国内有数の会社となります。

これらは、予算を多く持っていることが理由で評価されるのではなく、広告の運用技術やサービス品質等で評価されるものです。具体的に何社という情報は公開されていませんが、当社は、国内の1,000社、2,000社ある中の30社程度に入っているのではないかと考えています。

メインターゲット

私たちがターゲットとしているのは、広告予算規模が月間50万円から200万円、300万円の層になります。この層は、実はライバルがそこまで多くなく、より予算規模の大きい層あるいは小さい層をみんなで取り合っているようなところがあります。

広告市場は今後も伸びていくため、今年の売上予想の17億1,500万円のうち、けっこうな部分が広告で伸びると思っています。

市場環境:インターネット広告媒体費の推移

オーガニックマーケティングの市場規模に関しては諸説ありますが、インターネット広告の市場のうち、約40パーセントが検索連動型広告です。その金額がそのままオーガニックマーケティングの市場ではないのですが、オーガニックマーケティングを求めているユーザー層でもあるということです。

では、なぜ当社のオーガニックマーケティング事業がうまくいっていないのかと言いますと、2つの要因があると思っています。1つはSEO対策の内製化が進んでおり、現在はSEOコンサルティングにかなり高いレベルを求められています。

Web広告も内製化が進んでいますが、Web広告の場合はわかりやすくて、「問い合わせ1件をいくらでやってください」というかたちで、社内でも外注でも、しっかり成果が出ているなら別にどちらでもよいという企業も多いです。

しかし、SEOの場合は、問い合わせ1件につきいくらといった料金体系ではありません。アクセス数が増えたり、検索の表示順位が上がったりしますが、必ず成果が出るというわけでもなく、出てもまた下がったり、いろいろとメンテナンスしたりということで、コンサル費用や作業費としてもらうことが多くなっています。

そのため、そこで求められるレベルと、提供するサービスに乖離が出てきているのが要因の1つだと思っています。

加えてもう1つ、当社の場合は、自社サービスの販促活動で、マーケティングに力を入れていなかった部分があります。

私たちは、SEOのコンサルティングだけではなく、Web制作からすべて行うことが可能だという強みを持っているため、自社サービスのマーケティングを強化することによって、再び上昇気流に乗せることも可能だと考えています。

市場環境:ソフトウェア市場(SaaS)の推移

最後に、クラウドの市場についてです。まだまだ伸びていく予測が出ています。SFA、CRMの市場は、Salesforceという会社が、おそらく世界No.1で、日本でもまだまだトップのシェアを持っていると考えています。

SFAの事業については、私自身がかなり現場に出たり開発に関わったりしているため、手応えとして感じているのは、Salesforceと競合するというより、それとは違うツールだということです。もちろんバッティングすることもあるのですが、Salesforceのようなツールは、どちらかというと基幹システムや、ERPといわれるようなツールに近いです。

SFA、CRM、MAというものは、もう少し簡易的なツールと言いますか、中小企業から大企業まで部門ごとにマーケティングツールとして使っていくようなものです。

実際に、SFAやCRMの現場で、私たちが戦っているライバルはそこまでいません。これもまたWeb広告代理店などと同じで、似たような他社はいるのですが、しっかり機能しすべてを提供できて、事業として成り立っている会社は、5社、6社しかありません。

その中で、私たちは機能として遅れているところは一切なく、開発スピードも負けていません。また、カスタマーサポートという部分でも負けていません。競争力があるため、実際に去年も伸びたのですが、今年も市場とともに大きく伸びていくと考えています。

こちらもサービスとしてはすでに完成しているので、今年はマーケティングをさらに強化していこうと思っています。ぜひご期待いただければと思います。

大前提、やっているからには全ての事業を伸ばす

会社全体で、各サービスでも細かいことをたくさん積み上げて、いろいろなことを行うのですが、私自身もいろいろ行っていこうと思っています。

まず、マーケティング・販路という入口の部分です。単純な話ですが、サービスに問題があるのであれば、サービスを直さなくてはいけません。特に当社は今、Web広告や「ネクストSFA」については、他社よりサービス品質が良いと思っています。それでは「どうやってこれを売り出していくのか」というところを、どれだけ強化するかだと思います。

オーガニックマーケティングに関しても、問題がある部分もありますし、ない部分もあります。そのようなところで、とにかく販路は構築していきたいと思います。Web経由の問い合わせを強化していきたいということです。

実はオーガニックマーケティングもWeb広告も、Web経由の問い合わせは少ないです。基本的には、現在700社、800社いるお客さまの中の予算をアップセルしたり、クロスセルしたり、営業が取ってくるアウトバウンド経由の受注などがありますが、Webからの新規受注はそこまでなく、強化していなかったため、今こちらを強化しているところです。

次に営業組織についてです。今の営業の人数は、過去のピーク時に比べると少ないため、採用を強化しています。Webマーケティングを強化し、提案体制と言いますか、営業がいないと、どれだけ販路が増えても提案できないということになってしまうため、営業組織のほうも、強化していきます。

そして、それを支えるのが採用体制です。実は年々、離職率はしっかり下がっています。直近では平均勤続年数が4年3ヶ月に伸びました。

また、離職率は14パーセントとなっています。これは、成長企業、IT企業、Web広告代理店の中ではけっこう素晴らしい数字だと思います。普通は20パーセントあってもおかしくありません。

そして、毎年20名から30名の採用をずっと行っています。

先ほどは営業を増やすという話だったのですが、そもそも売上が伸びればすべての人間を増やさなければいけません。採用が原因で滞ることがないように、今年は同時にすべて進めていきます。

正直、業績が「ここから少し伸びました。また少し伸びました」というのは、おもしろくないと思っています。私としては、先ほどお話ししたように、さらに上を目指しています。

そのため、順番としては、いま言った順番だと思っていますが、現在同時に進めています。これから行うのではなく、すでに取り組んでいます。

以上でご説明を終わります。ありがとうございました。

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