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エヌビディア株に「利確」の動き?6月相場に漂う膠着感…日本人投資家はどう立ち回るべきか=脇田栄一

金利敏感セクターとしてハイテク半導体セクターに振り回されるマーケットであるが、今夜からのエヌビディアの値動きも関係し、ちょっと掴みどころがないのではないか。「今週の相場」というフレーズをよく見かけるが、1週ではなく2週スパンで忍耐強い展開が強いられることになる。場当たり的な報道に一喜一憂して、誤った判断に走らないよう幸運を祈る。(脇田栄一)

プロフィール:脇田栄一(わきた えいいち)
FRBウォッチャー、レポートストラテジスト。1973年生、福岡県出身。個人投資家を経て東京都内の大手株式ファンドでトレードを指南。本来は企業業績を中心とした分析を行っていたが、08年のリーマンショックを経験し、マクロ経済、先進国中央銀行の金融政策の影響力を痛感。その後、FRBやECBの金融政策を先読み・分析し、マーケット情報をレポートで提供するといった業態を確立。2011年にeリサーチ&コンサルティング(現eリサーチ&インベストメント)を起業。顧客は機関、個人投資家、輸出入企業と幅広い。ブログ:ニューノーマルの理(ことわり)

連銀総裁「(必要だけど)利上げはしない」

「景気後退のリスクを負いたくないために利上げはしない」ということを、各地区連銀総裁が表現を変えて伝えていることがわかる。

つまり、利上げをしなくてはいけない状況であることは明らか。しないのは、景気後退を避けるため。

景気の議論としては一段階ハードな状況に追い込まれていることが伝わってくる。次なる行動は利下げ、という強がりが自らを苦しめている。

政策金利が個人の信用状況をコントロールできるという前提の話ではあるが、高金利のため個人間の低金利融資を支援する企業が注目されはじめた。 コア労働参加率の減少傾向が見られないうえに、消費者信用をカバーする民間構造が整えば、なおのことディスインフレ進行は鈍くなる。

エヌビディアに利確の動き?

ちなみに、マクロとはいっても過言ではない先日のエヌビディアの5‐7月期予想に関し、個人的には手堅いというか成長維持ではあるものの、今までの急成長と比較した市場参加者のちょっとした落胆が垣間見えたような気がした。

よくセルサイドのアナリストなんかが分割による流動性の高まりのメリットのみを強調したがるが、結局は業績の伸びなので、期待成長率に不安を感じた市場参加者は多かったのではないだろうか。

エヌビディアの場合、昨年はこの時期に大きく飛躍している。

ECBは利下げへ

ECBはEurostat公表の5月HICPが、3月・4月より加速したにも関わらず、今週「利下げ」する予定だという。欧州は米国と違いマネーサプライを重視する傾向が強いこともその根拠として挙げられる。

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ただし、その後の会合での利下げは未定ということで、欧州には欧州の事情があるのだろう、しかし市場参加者にとっては、その基準がいまいち明らかでないことから、今後の道筋がよくわからない。

そういう意味では、混沌の中にあるとはいえ米国はマシかもしれない。何しろ態度があやふやなままではあるものの「利下げ困難」であるということに、やっと気づいてきた状況。それら2大中銀の会合が今週、来週とつづくということで少々厄介な状況にある。

6月第1〜2週はハイテク半導体セクターに振り回される展開に

金利敏感セクターとしてハイテク半導体セクターに振り回されるマーケットであるが、今夜からのエヌビディアの値動きも関係し、ちょっと掴みどころがないのではないか。

流動性の高まり(10分割)と言うのは、「買いやすい」と同義語ではなく、割高になればなるほど売りも出てくる。たとえば、今まで売れなかった参加者が、ここまできたので半分だけ売っておこう……といった感じである。

半導体AIセクターはエヌビディアとTSMCにリードされている状況であるので、一定程度上がってきたところで見極めは難しい。週末には雇用情勢あり、上振れまたは下振れであったとしても、他マクロが高金利維持を示しているので、その後のFOMCのスタンスとしても高金利継続といったことに変わりはない。

大統領選を控えていることから、議長は何とでも言うだろう。しかし、実情としては上記のようなものになる。そしてこのような状況の中、6月2週にはメジャーSQが待ち受けている。

よって、「今週の相場」というフレーズをよく見かけるが、1週ではなく2週スパンで忍耐強い展開が強いられることになる。場当たり的な報道に一喜一憂して、誤った判断に走らないよう幸運を祈る。

image by:Below the Sky / Shutterstock.com

本記事は脇田栄一氏のブログ「ニューノーマルの理(ことわり)」からの提供記事です。
※タイトル・リード・見出しはMONEY VOICE編集部による

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