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オリエント工業、突然の事業終了宣言に「悲しすぎます」と広がる動揺。AI搭載など劇的進化を遂げる中華製ドールに押されての廃業?との憶測も

ラブドールメーカーとして知られるオリエント工業が、突如として事業終了を発表したことが大きな波紋を呼んでいる。

同社サイトによれば、創業者であり代表の土屋日出夫氏が、体調を優先して引退を決断。その上で「代表の健康状態を考慮し彼の願いを尊重するため、会社としても事業を終了することとなりました」ということ。

東京・上野のギャラリー兼ショールームは、9月20日をもって営業を終了し、工場は10月20日で終了するとのこと。それに伴い、新規の受注受付も停止するという。

歯科実習用の人形としての利用も

オリエント工業の創始者である土屋日出夫氏だが、戦中の1944年のお生まれだということ。いよいよ80代に差し掛かろうかということで、現役からの引退は十分にあり得る年齢ではあるのだが、それと同時にオリエント工業という会社自体も、幕引きさせるという決断を下すことに。

ラブドールといえば主に男性向けのものというイメージが根強いものの、ただオリエント工業が手掛けるラブドールは、その精巧な作りもあってか、近年では性的な利用に留まらず、例えば衣装の着せ替えや撮影用の人形といった趣味のシーンでの利用、さらには介護や歯科実習用の人形としても使用されることもあったということ。

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それゆえその知名度は男女問わず高いとあって、今回の突然の事業終了に対しては幅広い層から「悲しすぎます」といった反応が飛び交い、さらには「いつかオリエント工業のラブドールちゃんお迎えするのが夢だったのに…」との後悔の声も、かなり多くあがっているようだ。

いっぽうで、海外も含めたラブドール業界の現状ということでいえば、ここ10年ほどで中国製ラブドールが飛躍的な進化を遂げているといった状況

外観のリアルさはさることながら、触れた際に温もりが感じられる人工皮膚を採用したり、また頭部にAIを組み込み、頸部や頬、口角などを電動で動かすことで、驚いたり微笑んだりという表情を自然に作れたりといった、かなりハイエンドなドールも近年登場しているというのだ。

中華製ドールの市場席巻による業績への影響は?

中国といえば、80年代頃から30年以上に渡って継続された「一人っ子政策」の影響で、かなりの“男余り”社会となっており、それゆえラブドールに対しては相当切実な需要があったことも大きいとされる、そういった同地での劇的な進化。

ちなみに、そんな中国製のハイエンドドールの価格はというと、AIを搭載したモデルでも10万円台前半だといい、40~50万円といった価格のものもザラといった、オリエント工業製のドールと比べてもかなり安いのだという。

こういった状況から今回の事業終了に関しても、そういった劇的進化&安価な中華勢の勢いに押されたゆえでは……といった見方も、一部では取沙汰されているようなのだが、ただその反面で、最近のコロナ禍の期間において、オリエント工業は大いに売上を伸ばしているという同社関係者のも。

有限会社である同社は決算を公開していないようで、業績面の問題が今回の廃業に繋がったかどうかは何とも言えないのだが、ただ理由はともあれ、その唯一無二といったオリエント工業の高い技術力が、継承されることなく途絶えてしまうことになりそうというのは事実ということで、巷からはそのことを残念がる声が絶えないといった状況のようだ。

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