日本の半導体業界への影響
DeepSeekの登場は半導体業界への影響としては、好影響の可能性があると先ほど解説しました。
しかしながら勢力図が変わる可能性もあり、それが日本の半導体企業に影響するのかも気になるでしょう。
そこで、日本の半導体業界にはどのような影響があるかについても見ていきます。
<日本の半導体業界は変わらず強い>
つばめ投資顧問の考えとしてDeepSeekの登場は、日本の半導体業界にとってマイナスの影響にはならないと考えています。
日本の半導体業界を支えている上場企業は、ソフトウェアや半導体の流行りが変っても影響を受けにくい企業が多いからです。
たとえば、東京エレクトロンは半導体製造装置をつくっている会社ですが、GPUに関連した企業だけに納入しているわけではありません。
どんな半導体が開発されようと、半導体の需要がある限り製造装置を供給できます。
また東京エレクトロンの顧客であるインテルが製造している半導体は、パソコンからスマホ、AIなど用途が様々です。
そのためGPUの需要が減少したとしても、日本の半導体関連企業へのネガティブな影響は弱いと考えています。
<日本の半導体業界の株価はどうなる>
株価としては、エヌビディアと深く関連のある企業の業績は落ち込むかもしれません。
特に将来を見越して割高で取引されていた企業の株価は、大きく下落する可能性もあるでしょう。
ですが、これは一時的なもので基本的に影響は少ないと考えています。
DeepSeekの登場によってこれから起きることは、今後拡大していく半導体業界の大きなうねりの1つでしかないとみています。
そのため、長期的にみると半導体業界の株価はまだまだ伸びていくでしょう。
まとめ
今回は、DeepSeekとはなに?という疑問から、エヌビディアが受ける影響について解説しました。
DeepSeekはChatGPTなどと並ぶAIサービスで、低コストで開発されたにもかかわらず高性能なサービスです。
DeepSeekは、従来までと違い低性能な半導体を使い安いコストで開発されました。
そしてAI開発に必須だったエヌビディアが製造する高額な半導体を使わなくても、AI開発ができると判明したためエヌビディアにとってはネガティブなニュースとなりました。
また、エヌビディアは時価総額がかなり多いので株式市場にも大きな影響を与えるのではと懸念されています。
ですが、DeepSeekの登場は成長過程にある半導体業界の変化の一つだと考えています。
つばめ投資顧問の見解としては、DeepSeekの登場を織り込んでいて株式市場がそこまで苦しくなるとは考えていません。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年1月29日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。