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だから戦争は消えない。欧米の指導層を支配する「終末論コンプレックス」の正体とは=高島康司

テッド・クルーズ米上院議員は、大虐殺を行っているイスラエルをどのように見ているのか。それがわかるインタビューの発言を引用する。以下だ。

テッド・クルーズ:
日曜学校で育った私は、聖書から「イスラエルを祝福する者は祝福され、イスラエルを呪う者は呪われる」と教えられました。私の立場からすると、私は祝福される側になりたいと思っています。

タッカー・カールソン:
イスラエルの政府を祝福する者たちですか?

テッド・クルーズ:
聖書には「イスラエルを祝福する者」と書かれています。政府ではなく、イスラエルという国家を指しています。それが聖書に書かれていることです。キリスト教徒として、私はそれを信じています。

タッカー・カールソン:
それはどこに書いてあるの?

テッド・クルーズ:
聖書の箇所をすぐに思い出せない。

タッカー・カールソン:
創世記にあるよ。あなたは聖書の言葉を引用しているけど、文脈も知らないし、聖書のどの部分にあるかも分からないのに、それがあなたの神学なの?混乱している。それって何の意味があるの?

テッド・クルーズ;
タッカー。私はキリスト教徒だ。

タッカー・カールソン:
あなたが言っていることの意味が知りたい。

テッド・クルーズ:
私のイスラエル支持の根拠は、第一に、聖書的に、私たちはイスラエルを支援するよう命じられているからだ。しかし第二に。

タッカー・カールソン:
待って。待って。あなたは上院議員なのに神学を振りかざしている。

テッド・クルーズ:
私はキリスト教徒で、この件について意見を述べる権利がある。私たちはキリスト教徒として、イスラエルを支援するように神から命じられている。そして、イスラエルを祝福する者は祝福されると言われている。

タッカー・カールソン:
でも、なに?待ってくれ。イスラエルを定義してくれ。これは重要だ。

テッド・クルーズ:
冗談か?ここはキリスト教徒が多数派の国だ。

タッカー・カールソン:
イスラエルを定義してくれ。

テッド・クルーズ:
イスラエルが何か知らないのか?

タッカー・カールソン:
それが、あなたが議会で49個も質問した国だろ。

テッド・クルーズ:
イスラエルは創世記で、神が言及している国だ。イスラエルという国家だ。そうだ。

タッカー・カールソン:
では、現在の国境や現在の指導者も含まれるのか?

テッド・クルーズ:
神は「イスラエル」という政治的実体を指している。神は「イスラエルという国家」について話している。神は国家が存在することを示し、国家について議論している。国家とはイスラエルの民のことだ。

タッカー・カールソン:
創世記で神が言及している国家は、現在ベンジャミン・ネタニヤフが率いる国と同じなのか?

テッド・クルーズ:
間違いなくそうだ。現在のイスラエルこそ、創世記で神が言及している国家だ。

これがエリート中のエリートであるテッド・クルーズ上院議員のイスラエル認識だ。創世記で神がイスラエルに言及しているから、イスラエルを全面的に支持するという。イスラエルの民こそ、神に選ばれた民族だ。そして、現代のネタニヤフ政権のイスラエルは、創世記で神が言及した国だという。

この認識が、想像を絶するジェノサイドを展開しているイスラエルを全面的に支持する根拠になっているのだ。恐るべきことである。

福音派の終末論コンプレックス

しかし、イスラエルに対するこのような認識は、テッド・クルーズに限られたものではない。全米に1億人近くもいると言われるキリスト教原理主義の福音派に共通した見方である。

福音派は「ヨハネの黙示録」にある終末論を文字どおり信じている。終末論とは、キリストが降臨して千年王国が建国され、最後の審判に至る聖書に予言された一連のプロセスのことを指す。それは、この世の終わりと来世、そして神の実現を予告するキリスト教徒の宗教的な希望の現れである。

キリストの降臨から千年王国の建国に至る終末期の過程は次のようになっている。

Next: 米国だけじゃない?広がり続ける「終末論コンプレックス」…

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