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安倍総理の誤算。トランプ大統領はなぜ「日本の消費税」に怒るのか?=近藤駿介

「日米経済対話」での交渉が日本不利になる理由

日本のメディアは、2月の日米首脳会談のあと「安倍総理が異例の厚遇を受けた」「トランプ大統領と安倍総理は馬があう」と、こぞって報じてきた。

そのため足元では、日米経済対話に対する警戒感はあまり高まっていない

しかし、日米首脳会談があった2月と今では、トランプ大統領を取り巻く環境は異なっている。日米首脳会談が開催された2月は、トランプ大統領が署名した移民排除・制限の大統領令に対して、世界的非難が巻き上がっていた時である。

こうした情勢の中で、難民申請7,586人に対して27人しか難民申請を認めていない「移民受入れに消極的な日本(※)」の総理は、トランプ大統領の移民政策を批判できない立場にいる数少ない首脳だった。
(※2015年。難民認定者以外に人道的な配慮が必要として在留を認めた者は79人)

さらに安倍総理は、大統領選挙に勝利したトランプ氏と最初に会談した先進国首脳であり、トランプ氏を「信頼できる指導者だ」と世界に向けて発信した実績を持っている。トランプ大統領に対して好意的対応をする数少ない安倍総理を「異例の厚遇」で迎えるのは当然でもあった。

そのことは、日米首脳会談後に行われた、米英首脳会談と米独首脳会談でのトランプ大統領の言動にも表れている。移民政策において同志である英国のメイ首相は厚遇したが、移民受入れに積極的なドイツのメルケル首相に対しては写真撮影もやんわり拒否するなど「異例の冷遇」をしたのである。

しかし、今月から始まる日米経済対話は、トランプ大統領が議会との調整を必要としない通商交渉においてアピールできる成果を示す必要性が高まる中で開催されるものであり、2月の日米首脳会談とは状況が異なっている。

もちろん、「核拡散防止条約」への不参加を表明するなど、米国に対する「忖度」をしてくれる、使い勝手がよく「馬が合う」安倍総理との対立構図を作ることは、トランプ大統領にとっても得策ではない。

とはいえ、日米経済対話はペンス副大統領と麻生副総理兼財務相をリーダーとて行われるものである。つまり、日米経済対話で対立構図が鮮明になったとしても、それはペンス副大統領と麻生副総理の「馬が合わない」から、という弁解が効く状況での交渉なのだ。

こうしたことを考え合わせると、日米経済対話が、日本にとって想定以上に厳しい交渉になる可能性は十分にあると言える。

Next: トランプによる「日本の消費税叩き」で、輸出企業は4.5兆円減益も

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