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【7月米雇用統計】前月反動で弱めか。ただし100円割れの場面では慌てずに=ゆきママ

先行指標はイマイチも、ハードルは低めな印象

先行指標に関しては、以下の表にまとめました。ADP雇用報告以外は今ひとつな内容となっています。

青字は改善、赤字は悪化(数値はいずれも速報値)

青字は改善、赤字は悪化(数値はいずれも速報値)

ISM製造業の雇用指数が50ポイントを割り込んでいることが気がかりでしょうか。先ほども書いたように、製造業は賃金にも大きく寄与しますので、この下振れは痛そうです。

とはいえ、イエレンFRB議長は昨年末から「+10万人程度の雇用増で新規労働者は吸収できる」と述べていますし、カプラン・ダラス連銀総裁も今月2日に「+8.0~12.5万人を越えれば健全な雇用水準」としています。やはり完全雇用に近い水準ということで、+20万人超という水準で雇用が伸び続けることは当局も想定していません。

したがって、非農業部門雇用者数は現在+18.0万人という事前予想値となっていますが、+10万人前後といった下振れがあったとしても、初動のみで一過性の動きに終わる可能性が十分あるでしょう。エコノミストも指摘している通り誤差がかなりありますから、本来は数か月単位でトレンドを見るべきですからね。

むしろ、Brexitの影響がテーマとなっているため、最終的な方向としては平均時給(賃金上昇率)の動向がカギを握ることになるのではないかと考えています。ちなみに、賃金上昇率の事前予想値は前月比+0.2%、前年比+2.6%となっています。

気になる想定レートは1ドル=99.50~102.50円

まず、よほどのことがなければそれほど動かないでしょう。今のドル相場における最大のテーマは利上げ動向ですから、これに大きな変化をもたらすような結果にならなければ値動きは限定的と思われます。

FF金利先物市場の動向から算出される利上げ確率であるFedウォッチの最新情報を見ると、9月が10%程度、12月が40%程度となっていますので、これらの見通しが大幅に変更されるような内容でない限りは、トレンドが発生するような状況に至らない可能性が高いということです。

仮に今回の7月分の雇用統計が強い内容となったとしても、9月に予定されているFOMC(連邦公開市場委員会)の前には8月分の発表がありますから、まずはそれを見るまでは結論が出せないということになります。また逆に弱い結果となったとしても、雇用者数に関してはハードルの低さとブレの大きさから、さほど問題視されないでしょう。

つまり、上下に抜けるようなよほどの結果というのは、上方向であれば賃金上昇率がFRB当局の目標の下限値である前年比+3.0%を超えるような数字、下方向であれば前月を下回ってマイナスになることが求められそうです。

大体こんなところでしょうか。これまで書いてきたことを踏まえると、雇用者数、賃金上昇率はいずれも強い数字になることは考え難いため、基本的には下目線です。ただし、100円を割り込めばそれなりに買いも出てきそうなので、雇用者数や賃金上昇率がマイナスとなるような結果でなければ、深追いは避けたいところでしょう。

それから、事前予想値を多少上回る程度のそこそこの数字となった場合は、戻り売りのチャンスかと思います。とりわけ、初動は雇用者数の数字が影響しますから、雇用者数の数字が予想を上回り、賃金上昇率が予想を下回るパターンは大きなチャンスとなりそうです。

Next: 雇用統計にまつわるアノマリー「ジブリの日」。今夜は『もののけ姫』放送

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