「相手政府を思い通りに動かす」中国の諜報力
諜報というと、「相手国の情報をこっそり探ること」が第一の仕事。しかしもっとすごい諜報員(=スパイ)になると、相手国の中枢に入り込み、政治を「自国の都合のよいように」動かします。
たとえば、ルーズベルトの側近に数多くのソ連スパイがいたことは知られています。またソ連は、近衛内閣のブレーン尾崎秀美から正確な情報を入手するだけでなく、彼を通して政策にも影響を与えていました。
今はどうでしょうか? ソ連が崩壊し、ロシアの影響力は衰えました。一方で、諜報力を使ってのし上がってきたのが中国です。
ビル・クリントン政権の商務省高官は、中国スパイだった!
伊藤貫・著『中国の「核」が世界を制す』のp262から、衝撃の事実が出てきます。なんと、ビル・クリントン時代の商務省高官は「中国人スパイ」だった。その男の名はジョン・ホアン。
中国大陸で生まれ台湾で育ったホアンは、アメリカに留学。その頃、中国の諜報機関にスカウトされた。ホアンは1983年頃、クリントン夫妻と知り合います。特に、現民主党大統領候補ヒラリーさんに気に入られていた。
1993年、ビル・クリントン政権がスタートした。クリントン夫妻は、10年間ホアンから資金援助を受けていたため、彼を要職につけることにしました。その地位とは、商務省国際経済政策担当・次官補代理! この地位にいる人は、「CIAの機密レポート」にアクセスできる権利がある。
ホアンは、とても満足でした。彼はこの地位にあった94~95年、CIAの機密レポートを読みまくり、中国の国益に多大な貢献をしました。ざっくり書きましたが詳細に興味がある方は、伊藤先生の本をご一読ください。