fbpx

「トランプ元気で留守がいい」初外遊で透けた市場の本音と政治リスク=近藤駿介

金融政策に無視できない動き

トランプ大統領の初外遊中には、金融政策に関しても注目すべき動きがあった。24日に公表された5月2、3両日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、再投資をやめる資産の規模の上限をまず「低い」水準に設定し、四半期ごとに段階的に引き上げていく戦略にほぼ全ての当局者が好意的な見解を表明したことが示された。その目標は「保有を減らすことと、債券トレーダーにとって退屈なイベントとすること」(Bloomberg)。

こうした機械的なやり方は、2014年1月~2014年10月まで実施されたテーパリング(量的緩和縮小)の成功体験を準えたもので、市場に不要な思惑を生じさせないという点では最良の方法であるといえる。テーパリングが10カ月で終了したのに対して、現在4.5兆ドル規模に達しているFRBのバランスシートの縮小を完了するまでには数倍の時間を掛ける必要がある。

最良の選択肢であったとしても、バランスシート縮小完了までの間、テーパリングと同様に金融市場に大きな混乱が起きない保証はない。いえることは、バランスシート縮小による金融市場への影響が、最小限に留まる可能性が高くなったということだけである。

大統領は元気で留守がいい」とばかりに堅調に推移して来た米国株式市場にとって、トランプ大統領の帰国は政治的リスクが再燃するオープニングベルでもある。こうしたなか、金融政策においてバランスシート縮小方法についての不透明感が薄れたことは金融市場にとっては好材料であるといえる。
続きはご購読ください。初月無料です


有料メルマガ『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』好評配信中。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

【関連】トランプ弾劾なら大戦争ルートへ?北朝鮮情勢「本当の瀬戸際」を読む=高島康司

【関連】国内メディアが伝えない「福島原発事故」と「北朝鮮経済」のウラ=浜田和幸

【関連】奇人?変人?だから何?株で成功したいなら「頭がおかしい奴」になれ=鈴木傾城

1 2

元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』(2017年5月28日)より
※記事タイトル、本文見出し、太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚

[月額4,070円(税込) 毎週 月曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
時代と共に変化する金融・経済。そのスピードは年々増して来ており、過去の常識では太刀打ちできなくなって来ています。こうした時代を生き抜くためには、金融・経済がかつての理論通りに動くと決め付けるのではなく、固定概念にとらわれない思考の柔軟性が重要です。当メルマガは、20年以上資産運用、投融資業務を通して培った知識と経験に基づく「現場感覚」をお伝えすることで、新聞などのメディアからは得られない金融・経済の仕組や知識、変化に気付く感受性、論理的思考能力の重要性を認識して頂き、不確実性の時代を生き抜く一助になりたいと考えています。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー