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優位に立つバブル反対派。やはり「夏の大調整」は避けられないのか?=藤井まり子

この夏の大調整は避けられない

ところが、ところが! 6月27日の「先進各国の中銀たちが一斉に引き締めへの大合唱」で、この「ゴルディロックス相場」もとても「あやしく」なりつつあります。

イエレンFRB議長は、今年後半も粛々と利上げを進めるだろうし(たぶん、12月に政策金利を1回は引き上げるでしょう)、9月19日~20日のFOMCでは「バランスシートの縮小」を10月から実施すると、高らかに宣言することでしょう。

その目的は、それが可能かどうかはさておき、今現在進行形の株式ブームを息の長いものに維持するためです。イエレンFRB議長は、すっかり「タカ派へ変質」しているのです。いや、「タカ派への変質」は、イエレン議長に限った話ではありません

ECB総裁もイギリスのBOE総裁もカナダ総裁も、先進各国の中銀総裁たちは、(黒田日銀総裁を除けば)、一斉に「タカ派」へ変質しています。

その「黒幕」は、後述するように、BIS(国際決済銀行)です。この「変質」に、ほとんどのマーケット関係者はまだあまり気がついていないのではないでしょうか? そして、この夏の調整は避けられないのではないでしょうか?

イエレンFRB議長は、トランプがアメリカ大統領に選ばれる前の「金融緩和大好き」「高圧経済大好き」のFRB議長から、「大型バブルの形成は未然に防ぐべし」のタカ派議長に大変身しているのです。

7月12日~13日のイエレンFRB議長の議会証言では、再び「タカ派的な発言」が飛び出すことでしょう。やはり、この夏の調整は避けられないのではないでしょうか?

バブルを容認するIMFの発言権が失われている

トランプ大統領が「ロシアスキャンダル」で大忙し、アメリカ議会の共和党内部は上院も下院も「学級崩壊」状態など、予算審議が紛糾し続けています。「予算審議の入り口」であるはずの「オバマケア代替法案」でさえ、いまだに立法化できない状態。

アメリカの政治が迷走していても、長く続いた「イエレン緩和」のおかげでアメリア経済は元気です。2017年も2%前後の成長は達成できる見通し。

ユーロ圏の経済も、量的金融緩和2年目で見違えるように景気が良くなりました!イギリス経済も然り。カナダ経済も然りです。

しかも、今の中国経済もなんとか「大失速することなし」に踏ん張ってくれているようなのです(中国の場合は、今年後半はちょっとあぶないけれども…)。

どうやら世界経済は「デフレ危機」から脱することだけは見事に成功したようなのです。

2016年の「イギリスのEU離脱」や「トランプ大統領の選出」といった大珍事の続発とともに、ラガルドIMFが通貨マフィア(=各国の中銀総裁や高名な経済学者たちの集団)たちの間で、発言権を失っていることを明記しましょう。IMFに代わって、通貨マフィアの間で発言権を増しているのは、BIS(国際決済銀行)です。

Next: IMFに代わり「バブル反対派」のBIS(国際決済銀行)が勢いを増す

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