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中東にミサイル売り込み?危なすぎる北朝鮮の金儲け戦略とセールス術=高島康司

供給先として注目される北朝鮮

そのような状況なので、核兵器とその運搬手段であるミサイルの供給先として熱い注目を集めているのが、北朝鮮なのだ。北朝鮮はイランとも良好な関係にあるが、基本的には需要さえあればどんな国にも兵器を売る。すでに2015年6月にアラブ首長国連邦は、北朝鮮から1億ドル相当の兵器を購入していることが、米国務省からリークされたメモで分かった。アラブ首長国は購入した兵器を、イエメンでイランの影響下にあるフーシー派を排除するためにサウジアラビアが行っている作戦を支援するためだとされている。

またこの兵器購入は、イエメンのフーシー派が北朝鮮からの武器の購入を阻止するために、アラブ首長国連邦が先行して北朝鮮の市場になる目的もあるとされている。さらに、このような兵器の取引を行うことで、将来イランに対抗するために必要になる核兵器やミサイルを入手しやすくさせるための処置でもあると見られている。

このような動きは湾岸諸国の盟主であるサウジアラビアも注視しており、イランとの対抗の必要性から将来北朝鮮に接近する可能性も残されている。

イランと良好な関係の北朝鮮

また北朝鮮は、イランとは伝統的に良好な関係にある。1980年から8年間続いたイラン・イラク戦争では、イランの兵器の需要は大きかったものの、イランはイスラム原理主義の国家として孤立しており、兵器の供給先が見つからなかった。この要請に応え、兵器を供給したのが北朝鮮である。それ以来反米で一致する両国は、良好な関係を維持している。

北朝鮮がイランに売却したスカッドB短距離ミサイルは、イランが開発したシャハブ・ミサイルの原型になったと見られている。現在でも両国には相互の軍事技術者が滞在し、軍事技術の交換を行っている。

いまはイランの豊富な原油と、北朝鮮の先端的なミサイル技術がいわばバーターのようなかたちで取引されていると見られている。また両国とも核開発の経験があるので、この分野でも技術の取引が可能だ。

経済制裁が厳しいほど軍事技術に依存する

このように、北朝鮮のミサイルや核兵器の需要は大きい。特に、アメリカの覇権が凋落し、イランが中東の地域覇権国になるにしたがって激化している湾岸諸国とイランとの敵対関係は、北朝鮮のミサイルや兵器、そして核兵器に対する需要を増大させている。また北朝鮮は、中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)をパキスタンなどに輸出し、パキスタンはこれを元に改良型のミサイルを開発したとみられている。

一方北朝鮮には厳しい経済制裁が課せられている。中国の新制裁案には、北朝鮮との合資企業新設、既存企業の増資が禁じられることが盛り込まれた。14日にはすでに北朝鮮の石炭、鉄、鉄鉱石、鉛、海産物の輸入禁止が通達されている。2つの通達を合わせると、中国が北朝鮮に対して実施した経済制裁はこれまでにない厳しいものであることが明らかになった。

これに伴い、石油不足など北朝鮮にも経済的な影響が徐々に現れつつある。折からの干ばつによる農業生産の打撃と合わせて、北朝鮮は経済的に追い込まれた状況にある。

そのような北朝鮮から見ると、中東を中心に需要の多いミサイルと核兵器は、外貨を稼ぐための貴重な手段であることは間違いない。

Next: 北朝鮮はアメリカにもミサイルを売り付ける?

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