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逆説の日本復活論。「トランプの関税」は我が国を再びバブルに導くか=児島康孝

トランプ大統領の政策

トランプ大統領の政策は、雇用創出+減税+申請などの手続き簡素化。オーソドックスな、共和党の伝統的な景気浮揚策です。

雇用創出の側面は一見すると保護主義的に思えますが、減税や申請事務の簡素化などはオープン化です。減税し、めんどうな手続きを簡素化し、アメリカの景気浮揚と活性化を図る。こういう考え方です。

閣僚の布陣は重厚で、本格政権。正統派側のユダヤ人脈、米英協調など、安定政権の要素を兼ね備えています。

人件費の「ピンハネ」は許さない

これまでのアメリカでは、グローバル化や人権を大義名分にした、「人件費のピンハネ」が横行していました。例えば、NAFTAを「悪用」して、国境すぐのメキシコで安い人件費で雇い、輸出はアメリカ。

何も、メキシコが単に悪いというわけではありません。メキシコでアメリカ人と同等の人件費を払い、しっかり雇えば、まっとうな企業活動での国際化です。しかし、現実はどうかというと、アメリカ人より安いメキシコ人で雇用を代替するもので、実際は「人件費のピンハネ」というわけです。

また、不法移民の問題。これも不法移民をアメリカ人と同等の給与で雇えば、問題は拡大しなかったでしょう。現実は、不法移民という立場につけこみ、安く雇う。アメリカ人にとっては、賃金デフレと雇用の喪失です。「人権」を大義名分にして、アメリカ人の正規雇用が直接・間接的に置き代わり、人件費をピンハネしていたというわけです。

トランプ大統領は、こうした人件費のピンハネは許さないという政策です。対外的には、自国民を保護。

これまでは「グローバル化」「人権」という大義名分のもとで、実際は人件費のピンハネが横行し、オバマ政権はこれを放置していました。難しい経済理論を言っても、実際は「人件費のピンハネ」が横行していたわけです。

人件費のピンハネは、当初は企業収益の拡大を生みます。しかし、ゆくゆくは所得低下による消費の低迷で、国力の衰退につながります。いわゆる亡国政策です。アメリカの繁栄には、国民所得の向上、中間層の回復が不可欠なわけです。

国民所得の向上による消費拡大は、GDPにも好影響です。そして、GDPのパイが大きくなれば、それは軍事力、研究開発力、技術力にも余力が生まれ、軍事面で世界をリードする力を持つことになります。

大手メディアによる異常なトランプ・バッシングが続いていますが、NYダウが2万ドルを超えたのは、まだ序章に過ぎないでしょう。

超長期のコンドラチェフサイクルが上昇へと転換していることもあり、これまではリーマンショックで見たことがない安い株価が出現しましたが、今後は逆に、見たことがない高い株価が出現する可能性があります。

Next: トランプ大統領は時代に選ばれた「適任者」とも言える

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