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2018年はお金が貯まる!敏腕FPが教える「すごい貯金」と人生を変える習慣=俣野成敏

【本当に難しいのは「欲望のコントロール」じゃない】

実は、本当に難しいのはお金のコントロールではありません。こう言うと、「じゃあ、難しいのは欲望のコントロール?」と思われるかもしれませんが、それも違います。もともと、欲望のコントロールなどできるはずもありません。お金をコントロールするコツとは、【それを上回る目的意識を持つ】ことにあります。

「自分が今、どこにいるのかもわかっていない」「どこに行きたいのかも決まっていない」「どういう生活をしたいのかもあいまいなまま」という状態では、もちろん目の前の誘惑になんか勝てっこありません。「目の前の利益より、遠い目標を取れるようになる方法」とは、実は、子供の頃にすでに実践していた方法です。

子供の頃は、少ないおこづかいの中でやりくりしていましたよね? つまり「どうしてもあのゲームが欲しいから、目の前のお菓子を買うのを我慢した」のと同じ状態に自分の身を置くことです。当時はお菓子を食べるのを我慢することよりも、ゲームが手に入った時のことを思うとワクワクしましたよね? 目的を持つことによって、あの状態を再現するイメージです。

マネーコントロールとは、「限られた予算をいかに再配分するか?」ということですから、基本的には、誰にでもできます。けれど、「自分にふさわしい目標を持つ」というのは、なかなか難しいものです。本稿の冒頭をお読みになればわかるように、多くの人が貯金することを目標に挙げながら未達に終わっているのは、目標をきちんと立てられていないからです。

目標や目的を持つことの大事さ・大変さを知るエピソードとしては、ソフトバンクの孫正義氏の話が有名です。孫氏は、学生の頃にアメリカに留学し、勉強の合間に「1日5分の発明」を行います。それらのアイデアをもとに翻訳機を発明し、シャープに1億円で販売しています。他にも日本のゲーム機を輸入して利益を得るなど、学生起業家として活動していました。

しかし大学を卒業して日本に帰国後、「自分はどの事業を始めるべきか?」を決めるのに、1年半もの時間を費やしています。アイデアも選択肢もそれこそ無数にあり、すぐにお金を稼ぎたければ、いくらでも方法はありました。しかし、10数年後にそのビジネスが頭打ちになった場合、業種を変えることになれば、積み重ねてきた優位性が失われる可能性があります。孫氏は、数十年先まで見通した上で、コンピューター業界に身を置く決心をしたのでした。

このように、目先のことに心を動かされなくなる目標を決めようと思えば、1日2日で思いつけるものではありません。ここでお伝えしたいのは、「目標とは簡単に思いつけるものではない」ということです。逆を言えば、だからこそやる価値があるのではないでしょうか。

マネープランとは、いわば人生の目的へ至るまでの過程の話です。人生を意味あるものにする過程で、道を外れないようにするための指標の1つとも言えるのが、マネープランです。

Next: マネープランを組む上で欠かせない「5つの要素」とは?

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