アフガニスタン、イラクへの支援が急増
<図版3>
2014年末の時点でも、イスラエル、エジプトの軍事政権支援は変わらないが、2年後に急増したアフガニスタンはほぼゼロだった。
この2年間で急増したのは、アフガニスタンに加え、イラク、ヨルダン、エチオピア、シリア、パキスタンなどだ。
つまり、イラクとアフガニスタンへの支援の急増は、米傀儡政権に対する支援というより、新たな展開に備えたものと考える方が自然だ。そして、それはトランプ大統領の誕生前から、周到に準備されていたものだった。
そこで、次の図版では、米国が軍事支援をしている国々に星印をつけた。
イラン包囲網で見えてくる「戦争が起きた理由」
<図版4>
サウジアラビアがイランと対立し、イランを取り囲む国々に米国が軍事支援を急増させている。
緑の矢印はイランの同盟国だ。シリアは同盟国だが、一部地域では政府の力が及ばない。
黒い矢印はイランが軍事的に力を向けている方向だ。
オレンジの矢印はサウジアラビアが軍事的に力を向けている方向で、クルドを除いては、ここでイランと対立している。
こうして見ると、どうしてシリアの内戦が起きたのか、いや、イラク戦争やアフガニスタン戦争が起きたのかも、何となく見えてくる気がする。
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