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本音ではAIIBに日米も参加して欲しい!?中国だって不良債権を抱えたくない

「失われた20年」の日本もその代表的実例である。

だから安倍さんが12年12月の総選挙の際に「日本を取り戻す。(民主党から取り戻すのではなく)経済を取り戻す」と標榜して打って出たのは誠に正しかったのだ。

狡知に富んだ中国共産党幹部は勿論、これを熟知している筈だ。

今は世界の金融は世銀とアジア開発銀行が支配する。中国は世銀にもアジア開銀にも入っていて出資もしているが、前者はアメリカ、後者は日本が主導権を握っている。中国はこれが気に食わない。そこで北京に本拠をおくAIIBを考えた。

そこで考えたのがアジア・インフラという大義名分を立てた金融覇権の争奪である。言うまでもなくAIIBのホンネはそこに在る。ところが輸出相手として中国を重視する欧州諸国が参加したので面倒になった。ドイツ・フランスは中国が最大輸出国である。

英国は対中貿易は大したことはないが、AIIBの資金をロンドンのシティーで運用したいというハラが透けてみえる。そこでドイツ・フランスに次いで英国が参加した。

AIIBが中国の不良債権を抱えてしまうという恐れがある。そこで不良債権処理を長年体験した日米も参加してもらって支えてもらいたいのだ。これが中国のホンネだろう。

勿論、安倍さんもスガさんもそれは読んでいる。人のいい麻生さんはそれが読めずに財務相として金融庁としてAIIBに参入することを当初は考えていたようだが今は安倍さんたちに窘められてか黙り込んだ。

日米は泰然と構えていれば向こうが頭を下げてくると読んでいるようだ。

このように、日中戦略は、一帯一路・AIIB・安保法案・などの全体の「面」で考えてゆかねばならない。ところが国会ではミクロの事柄しか提出されない。

山崎和邦 週報「投機の流儀」』(2015年6月14日号)より一部抜粋

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