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トヨタの外国人女性役員逮捕が株主総会後だったのは圧力のせい?22日からの展望も解説!

6月15~19日にかけては投資家にとって、FOMCの結果発表や、香港の選挙改革案の採決、トヨタの女性役員逮捕など突発的なことも含め、様々なイベントがありました。証券アナリスト、FPなどの資格を有する著者が発行する「KA.Blog」ではこれら注目ニュースや22日からの展望について語ってくれています。

来週はどう動く?ギリシャは?中国は?トヨタは?

金曜のNYはギリシャ問題の解決が見えないことから軟調。それを受けて為替は円高方向に進み、シカゴ225先物は20155円ということで、月曜はとりあえず軟調なスタートが見込まれています。

先般のFOMCでは6月の利上げ開始は見送られたものの、年内の利上げは不可避という感じの内容になりました。それを受けてゴールドマンサックスは利上げ開始時期予想を12月に先送りしたものの、未だ全体的には9月利上げ開始が濃厚と見られています。日本の方も金融政策は現状維持が続き、黒田総裁の会見では先般の「これ以上の円安は無い」発言の火消しが続いていますから、これ自体は中立という感じです。

個人的には先般から繰り返してきたように、これで大方のイベントが通過しましたし、ちゃんと2万円割れも達成してきたので、後は少しずつおっかなビックリの流れを続けながらも下値切り上げの展開が続くと見ています。下値はあっても19800円辺りまでで、金曜の個人や年金資金の押し目買いの強さがそれを物語っているような感じがあります。

正直、個人だけだと「押し目を待っていたものの、下がったら下がったで結局買えない」という人も多いのですが、年金や日銀による下支えがあれば「ちょっと買ってみようかな」という人も増えるでしょう。個人の待機資金として未だMRFが12兆円残っていると言われるところで、そのうちの1割でもしっかり買い支えてくれれば、日本株は再度底打ち反転のシナリオが描けると思います。

それ以外にも日本株の需給の良さが目に付きます。裁定買い残はメジャーSQを通過して3兆円を一気に割り込んで、先週のメジャーSQ通過による解消売りがしっかり出た形になりました。だいぶ将来の売り要因が軽減された格好。一方、信用買い残は3.1兆円(対して売り残は8000億円)となっており、こちらはぼちぼち返済売り圧力が感じられる程度にはなっていますが、それでもまだ余裕があるところです(ネットで3兆円を超えると警戒ゾーン)。

ただ、市場全体のエネルギーはイベントが重なったことで様子見ムードにあり、足元で連日売買代金が2.5兆円を割り込んでしまっています。特に5月下旬までは3兆円を超える日もあったのに、6月に入ってからはメジャーSQ以外で3兆円を超えた日はありません。金曜は上述したように引け間際に海外ETFの売買需要があったので見かけ上膨らみましたが、実態としてはまだ何とか2.5兆円程度という感じです。

高値20655円やSQ値20473円を上抜くには、もっと市場のエネルギーが必要です。まあ上がればエネルギーは自然とついてくるものですが、少なくとも連日きちんと2.5兆円は超える必要があるかと思います。

そのためにはやはり為替の安定が必要です。FOMCの結果発表で一時124円を回復したドル円も、その後アメリカ利上げの遅れから122.5円まで急速に円高方向に振れています。これが落ち着かないと、外国人の買いは戻ってこないでしょう。

ギリシャの問題に関しては引き続き私はあまり気にしていません。まあ私が気にしなくても世界が気にすれば株価に影響するわけですが、スケジュールとしては週開けの22日にEU首脳会議があります。月末に15億ユーロの返済期限が迫っている中で進展は全くと言って良いほど見られておらず、そこをクリアしたとしても夏にはECBへ67億ユーロの支払いがあります。

個人的にはいつぞやのシャープ<6753>を想起させるのですが、ともあれ最早デフォルトは不可避の状況に思えます。

最近の気になるニュースとしてはまず香港の選挙改革案が否決されました。これは先般より民主化を求めるデモが異を唱えてきた中国本土寄りの選挙改革が「とりあえずは」阻止されたことを意味します。正直意外な結果でしたが、親中派の議員も棄権した模様。ただ本土側(全人代)は「当委員会が策定した方針は今後も守られなければならない」として法案は引き続き有効としており、本質的な決着にはまだまだ前途多難な様子。

それでもこれは中国で出た初めて公式的な反体制的な動きではないでしょうか。習近平国家主席は今汚職撲滅に向けてキツネ狩りと言われる国外逃亡者の拿捕、また過去の大物だった周永康氏の無期懲役など、次々綱紀粛正を行っています。その強権的なやり方に反発する者が居たとしても、粛正を恐れて意に従わざるを得ません。

そんな習近平氏に刃向かったのが今回の香港。これは民主主義というものを信奉する我々にとってはとても良い結果だったと思います。ただこれは中国が今まで無理矢理誤魔化し隠し続けてきた体制のほころびかも知れません。足元中国株の下落がきつく、特に上海は金曜も6%を超える暴落ぶりで、木金で10%も下げました。いよいよ体面を取り繕うのが難しくなってきたのかも知れませんね。

個人的な感情論としても良かったと思いますが、民主化が進むというのは一方で権利を国家から民衆に譲渡していくということになりますから、国家は間違いなく弱体化します。それが中国の国民にとって良いことなのか悪いことなのかは当然私はわかりません。まあ今回の一件が最終的にどういう帰結となるのかはまだわかりませんが、私は山の頂上から小さな雪玉が転がり出し、やがて麓に付く頃には大きな雪崩になっていくような最初の一歩のように感じました。

あともう一つのニュースとして、トヨタ<7203>の外国人女性常務が麻薬密輸容疑で逮捕というものがありました。これはトヨタ創業以来の不祥事では無いでしょうか。本来であればあくまで一個人の問題として扱われ(そもそも本人もまだ否認していますが)、大きな問題は無いかも知れません。

ただ私が思うのは、今回発覚したのが11日で、本日逮捕に至ったということですが、その間トヨタでは株主総会が開かれました。その間トヨタは警察に頼んで(圧力をかけ?)、総会後まで待ってくれ、としたのではないでしょうか。重要な議案に支障を来す恐れがあったので。

であるなら、ちょっとガバナンス的にどうなんだ、ということにもなります。特に最近はESG投資(Environment(環境)、Social(社会)、Gorvernance(企業統治))をGPIFも取り入れるよう検討すると伝わっており、こういった話が出ると機械的に売りが出ることにもなります。

金曜の株価は大きな影響が無かったものの、市場に与える影響にも注意を払う必要があります。そもそもトヨタは「ザ・日本株」の代表格でもありますから、大げさに言えばこれが日本株に対する信頼感の低下に繋がらないことを祈ります。

新興市場も「やや買い」。金曜は両指数共に堅調。マザーズ指数は引き続き1000ポイントを目指す動きになっています。今週出てきたIPOが次々初値翌日持ち越しとなっており、とにかく活況と言える状態。上述のように個人資金が市場に回帰している流れが鮮明になっています。来週はマザーズ1000ポイント超えから新ステージの始まりになるかどうかに注目です。

KA.Blog』(2015年6月20日号)より一部抜粋

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