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景気が悪いのに株価が上がる?そのカラクリを三橋貴明さんが解説

GDPが悪く、景気が悪い状態にあるのに株価だけは上がっている。そんな状態の続く中国ですが、いよいよバブル崩壊の時が近づいてきたと語るのは、中小企業診断士であり作家の三橋貴明さん。メルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』では、景気と株価の関係について解説しています。

記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015年6月22日 号外より
※本記事のタイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

上海株式バブル崩壊が近づいている

現在の主要国の株式市場の特徴は、「景気と無関係に株価が上がる」もしくは、「景気が悪いのに株価が上がる」でございます。ここで言う景気とは、実質GDPの成長率(=経済成長率)もしくは実質賃金を意味しています。

なぜ、景気が悪いのに、株価が上がるのか。これは実は話が逆で、「景気が悪いから、株価が上がる」が正解になります。各国の中央銀行が金融緩和を継続拡大し(アメリカ除く)、今、銀行にはおカネがじゃぶじゃぶです。日本の銀行は、「最低」1.5京円のおカネを貸し出すことができるわけでございますが、実際には900兆円のM2でしかないことは、以前、解説した通り。

銀行の貸し出し余力は極端に高まっていますが、実体経済(GDP)は悪い。すなわち、設備投資などで十分におカネが実体経済に貸し出されない。

というわけで、おカネは金融経済の世界に向かい、株価高騰や一部地域で土地価格高騰を引き起こしているわけでございます。今や、株価は先行指標でも何でもありません。むしろ、「実体経済の悪さ」を象徴するバロメータと化しているのです。

上記の現象が、世界各国で起きているわけですが、特に酷いのが日本、ではなく中国でした。何しろ、実体経済が急速に冷え込む中、中国の上海総合株価指数は一年前の2000ポイントから、一時は5000ポイント超まで急騰したのです。

一年間で、株価が2.5倍になったわけですが、これを引き起こしたのは中国における信用買いの解禁でした。「借金」をして、レバレッジを効かせて一般人民が株式を購入できるようにしたわけでございます。

とはいえ、一般人民の「借金による株式売買」に支えられてきた上海株式バブル(これは間違いなく「バブル」)も、終焉のときが近づいてきたようです。

『上海株、週間で7年ぶり下落率13% 高値警戒感強まる

上海株の値動きが一段と不安定になってきた。19日の取引で株価の指標となる上海総合指数は大幅続落した。週間の下落率は約13%と2008年以来約7年ぶりの大きさとなった。急ピッチの上昇で高値警戒感が広がっていたため、投資家が売り圧力を強めた。だが中国政府は過度の株安を容認しないとみられ、これまで急上昇を続けてきた上海株式相場が転機を迎えたかどうかはなお不透明だ。

上海総合指数の19日終値は前日比6.4%安の4478で、約1カ月ぶりの安値水準となった。取引終了時間の間際になって下げ幅を広げた。

従来の相場の上昇ピッチが速すぎるという見方から警戒感が強まり、当面の利益を確定するための売りが集中した。不動産市況が改善し、株高要因の一つだった早期の追加金融緩和観測が後退してきたことも影響した。

年金制度の遅れなどから中国株の市場は機関投資家の存在感が小さく、売買の6~8割を個人投資家が占める。個人は景気指標や企業業績への意識が薄く、株式の値動きを重視する傾向が強い。このため相場全体の値動きに追随するような売買をすることが多く、値動きが大きくなりやすい。

株式を担保に資金を借り入れ投資資金を膨らませる信用取引の割合が高まっていることも市場の安定を損なっている。19日は投資家が返済資金を確保するための追加株式売却を迫られ、売りが売りを呼ぶ展開となった。(後略)』

実際に上海株を売り買いしている中国人に聞くと、現在の株式市場について、「ババを押し付け合うゲーム」と表現していました。

バブルとは、「人々が借金をし、値上がり益(キャピタルゲイン)目的で資産(土地、株など)を購入することで、連鎖的な資産価格高騰が発生する」という定義になります。上海株式市場は、まさに上記の定義そのままの「バブル」になります。

そして、バブルは間違いなく崩壊します。といいますか、崩壊するからバブルなのであって、崩壊しないならばただの資産価格の上昇になります。

今後、中国人民が「値上がり益」が見込めないと判断した瞬間、上海株式市場はド派手な価格暴落局面に入ることになります(すでに13%落ちていますが)。その場合、円高になる可能性が高く、日経平均も影響を受ける(下がる)ことになります。

当然、中国共産党は人民の気をそらすために反日の色をさらに濃くしていくでしょう。

中国株式市場の動きを見ていると、現在の世界が色々と「煮詰まってきた」ように思えるわけです。

三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015/6/22 号外より

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