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欧州諸国の農家は実質「公務員」?TPPに加盟したら日本も転換を迫られる!

農協改革など、日本の農業のあり方が少しずつ変わろうとしていますが、ここに問題はないのでしょうか?中小企業診断士であり作家の三橋貴明さんはメルマガ『三橋貴明の「新」日本経済新聞』で、食料安全保障やTPPに加盟した場合の日本の農業の将来について、もっと議論すべきだと語っています。

記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015年6月14日号より
※本記事のタイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

日本の農業の課題を解決するための2つの方法を提案

食料安全保障について、一つ、頭の体操をしてみましょう。

食料安全保障、すなわち「国民を決して飢えさせない」ためには、自国内の農業に生産能力を維持してもらわなければなりません。

例えば、休耕地でいきなり農産物を生産することはできません。あるいは、農地があったとしても、農業生産を熟知した「農業生産者」がいなければ、やはり農産物を生産することはできません。

問題は「効率」でも「カネ儲け」でもなく、食料生産能力の維持です。食料生産能力は、食料生産を「継続」しない限り、保有することはできないのです。

さて、現在は自由貿易の時代であり、日本は多くの食料を輸入しています。結果的に、国内の農家は価格下落に苦しみ、次々に廃業していっている有様です。

虎の子の農業生産力を喪失し、我が国の食料安全保障は刻一刻と悪化を続けているのです。

自由貿易を維持しながら、食料安全保障のために農業生産力を維持する方法はあるでしょうか。実は、欧州の多くの国々は、上記の課題を解決するため、農家の所得を「税金」から支払っています。

信じられないでしょうが(でも、事実です)、欧州諸国の農家の所得の90%超は「税金」で賄われているのでございます。ほとんど、公務員のようなものです。

日本がTPPに加盟し、かつ食料安全保障を強化したいならば、欧州のように農家を公務員化する必要があります。さもなければ、我が国の食料安全保障は崩壊することになります(すでに、相当崩れていますが)。

あるいは、次の手段はどうでしょうか。日本全国の全ての農地で食料生産を実施し、当然、輸入も続け、国内の余剰になった農産物を「廃棄」してしまうのです。

「もったいない!」

と、思われたでしょうし、確かにその通りなのですが、「もったいない」という倫理観を貫くことと、食料安全保障の確立と、どちらが重要でしょうか。

無論、一般の国民が上記の類のことを考える必要はないでしょう。

とはいえ、せめて我が国の安全保障を担っている政治家には、「もったいないを犠牲にし、安全保障を確立する」といったイシューについて、せめて議論をして欲しいと思うのです。

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