「米ドル」の影響力は強い
アメリカのドルの影響力は強く、世界中に流通しています。
うっかりアメリカ財務省の要人が「ドル安を望む」と発言して、その後に、「強いドルはアメリカの国益」と言い直すケースはしばしば起きています。
これは、影響力が大きい裏返しです。
トランプ政権でも、ムニューシン財務長官が「ドル安歓迎」のような意味の発言をして、トランプ大統領が「強いドルはアメリカの国益」と言い直しています。
米ドルは世界各地で広く使われているので、それだけ、ドルの信任は重要なわけです。
強すぎるドルが「通貨危機」を呼び込む
その米ドルの影響力はとくに途上国で強いわけですが、アジア通貨危機のようなケースは、ドルが強すぎるケースでおきます。
アメリカの景気回復でドルの金利が上昇し、アメリカ本国へとドルが還流するからです。
それまで景気対策でじゃぶじゃぶに供給されていたドルが、一斉に、途上国からアメリカへ戻るわけです。
このときに、アジア各国の通貨は暴落します。
日本は円安にならずに困っていますが、アジア各国の場合は、通貨安になると、自国通貨を防衛するために大幅な利上げを迫られます。
大幅に利上げしないと、通貨安・暴落が止まらないためです。
そして、アジア通貨危機のようなことが起きれば、アメリカのダウにも影響します。ですから、アメリカの景気サイクル(中期)が、ピークを通過した頃に、起きやすいということになります。