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この感じは1997年の再来か…強すぎる米ドルが呼び込む「アジア通貨危機」=児島康孝

「米ドル」の影響力は強い

アメリカのドルの影響力は強く、世界中に流通しています。

うっかりアメリカ財務省の要人が「ドル安を望む」と発言して、その後に、「強いドルはアメリカの国益」と言い直すケースはしばしば起きています。

これは、影響力が大きい裏返しです。

トランプ政権でも、ムニューシン財務長官が「ドル安歓迎」のような意味の発言をして、トランプ大統領が「強いドルはアメリカの国益」と言い直しています。

米ドルは世界各地で広く使われているので、それだけ、ドルの信任は重要なわけです。

強すぎるドルが「通貨危機」を呼び込む

その米ドルの影響力はとくに途上国で強いわけですが、アジア通貨危機のようなケースは、ドルが強すぎるケースでおきます。

アメリカの景気回復でドルの金利が上昇し、アメリカ本国へとドルが還流するからです。

それまで景気対策でじゃぶじゃぶに供給されていたドルが、一斉に、途上国からアメリカへ戻るわけです。

このときに、アジア各国の通貨は暴落します。

日本は円安にならずに困っていますが、アジア各国の場合は、通貨安になると、自国通貨を防衛するために大幅な利上げを迫られます。

大幅に利上げしないと、通貨安・暴落が止まらないためです。

そして、アジア通貨危機のようなことが起きれば、アメリカのダウにも影響します。ですから、アメリカの景気サイクル(中期)が、ピークを通過した頃に、起きやすいということになります。

Next: 最近よく見かける「アジア通貨」の一斉安。いよいよ通貨危機か…

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