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本気かトランプ、自動車の燃費基準をあっさり撤回。環境より米国経済優先が鮮明に=矢口新

気候変動自体がコスト増を招く

そうした環境規制のコストに対して、「気候変動のコスト」の方がより深刻だとする見方をウォールストリート・ジャーナルが掲載しているので紹介する。

ここ数週間、焼けつくような熱波が太平洋北西部から北欧まで世界各地を襲っている。特に悲惨なのは日本で、高齢者を中心に100人以上が死亡した。

よく言われるように、一つの事象と気候変動を明確に関連づけることはできない。それでも今後1世紀の間に起きるかもしれない不安な状況を日本の事例からうかがい知ることができる。<中略>

2099年には気温上昇によって世界で1年間に死亡する人の数は今よりも150万人多くなる。対比として挙げたいのは、2013年に交通事故で死亡した人の数で、それは125万人だった。

さらに、社会の順応によってエアコン設置の増加や屋外活動の抑制など経済的な損失が発生する。シカゴ大学のマイケル・グリーンストーン氏らの研究によると、こうした取り組みにかかるコストが実質的に、気候温暖化による暑さによるコストの2倍以上になると見積もっている。

気候変動は、海面上昇や作物生産高の変動、干ばつ、人の移動、潜在的な社会不安などさまざまな影響を及ぼす可能性があるが、この研究では暑さだけを検討した。

出典:気候変動のコスト、人命に換算するとどうなる

とくに暑さに苦しむのは高齢者。日本社会が世界の研究対象に…

そして、世界は未来の「高齢化社会モデル」として日本を見ているようだ。

過度な暑さはとくに64歳を超える人にとっては、脳や腎臓の損傷や心循環系ストレスにつながる可能性がある。

日本の経験が重要なのはこのためだ。日本は高齢化社会で、世界の他の地域も今後一世紀の間に着実に高齢化するからだ。

出典:同上

さらに、より大きな被害を受ける地域についても言及されている。

驚くまでもないが、より裕福な地域の状況は悪くない

テキサス州ヒューストンでは、1日の平均気温がセ氏20度の「普通」の日と比べて、35度を超える日が1日増えるごとに10万人当たりの年間の死者数は0.5増える

一方、暑さはヒューストンと同じくらいだが、豊かさでは10分の1のカイロでは、暑い日が1日増えれば、死者数はヒューストンの10倍近いスピードで増える。<中略>

さらに驚くべきことに、気候が温暖な地域はあまりいい結果にはなっていない。暑さに慣れていないからだ。エアコンがある家がほとんどなく、人が屋外で過ごす時間も長いため、暑い日が1日増えたときの死者数の増加ペースはヒューストンの7倍になる。

出典:同上

研究によると、炭素排出量を減らさない限り、暑さによる死亡者は増え続けるという。具体的に2099年にはどれくらい暑くなるのか。またそのコストはいかほどなのだろうか。

Next: 2099年、世界の気温はどうなる? お金で買えない代償も…

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