間に合うのか危ういサブトラック
話を戻し、昨年7月、サブトラックは軟式野球場に“仮設”と決まりながら工事は未だなく、関係者によれば、9月28日開札予定の入札でようやく工事請け負い業者が決まるという。
「サブトラックは東京五輪の1年前には完成しないと間に合わない。本当に国際基準を満たしているのか検査するなど、数々の条件があるため。すると、もう10カ月ほどしかなく間に合うのかという声もある」(関係者)
なぜ報道されない?
しかし、大手マスコミ報道を調べても、今年に入り、このサブトラックに関する問題はまったく報じられていない。
そしてその理由は、水面化で未だに同じ球技でもサッカー・ラグビーを推す森元首相、それに日本陸連などの勢力・利権争いがあるため、サブトラック問題に触れるのはタブーになっているとの見方もある。
繰り広げられる「利権争い」
今年6月28日、日本陸連の横川浩会長が、東京五輪後、駒沢陸上競技場を再整備、つまりここに常設サブトラックを設けて陸上の世界選手権など開催できる場所にしたいと言い出した。
そうかと思えば、東京五輪までちょうど2年となった7月24日、「日経」は神宮外苑が100年ぶりの大改造に動き出し、2020年代後半までに、神宮第二球場を解体し、跡地に新たなラグビー場を建設。そして、現在の秩父宮ラグビー場は解体され、同地に神宮球場に代わる新球場が作られ、新ラグビーと新球場の間は大きな広場にする計画が、現在、東京都・JSC・明治神宮の間で詰められているという観測記事を出している。
「そもそも、最初にサブトラックの候補に上がっていた神宮第二球場案が消えたのは、スペースが足りないからとのことだった。しかし、横の道路を若干変更すればクリアできた。神宮第二球場に決められたら困るという勢力の政治的思惑の結果。
また当初、軟式野球場のサブトラック建設、“仮設”のため五輪後の取り壊し費用も含め100億円かかると見積られていたのが高過ぎるとの批判の声が起きると、一挙に20~30億円にまでダウンしたのもおかしな話。
そうかと思えば、今からでも都立霞ヶ丘団地跡地に常設サブトラック建設(「ランドスケープコンサルタンツ協会」が15年10月に提案。これは非常にまともな案)が130億円で可能という声もあります」(関係者)