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誰もが受給者になりえる障害年金。だからこそ確認したい受給額、認定条件=FP・冨士野喜子

病気や事故などにより、日常生活を送ることが困難になってしまった時に生活を支えてくれる障害年金。公的年金のひとつでありながら、自分にはあまり関係がないと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、いつ病気や事故に遭うかわからない以上、障害年金は誰もが受ける可能性のある、とても身近なものと言えるかもしれません。FPの冨士野喜子さんが障害年金の支給額や、認定を受けるための条件などについて解説します。

3種類ある公的年金のひとつ「障害年金」について詳しく解説

事故や病気で誰もが当事者になりえる。意外と身近な障害年金

少しおさらいですが、年金には

  • 老齢年金
  • 遺族年金
  • 障害年金

があります。

国民年金、厚生年金、共済年金、どれに加入しているかで、支給額や支給される要件は変わってきますがざっくり言いますと老齢年金は、65歳以降。遺族年金は、配偶者が無くなった時。障害年金は、障害と認定されたら支給されるものです。

「障害」と聞くと、「寝たきり……?」「先天性のもの……?」といったことをイメージされる方が多く「私には関係ない」と思いがちです。しかし、障害年金は身近なものなのです。

  • 肢体の障害
  • 精神疾患
  • 眼・聴覚の障害
  • 心疾患
  • 腎疾患
  • 高血圧症
  • 悪性腫瘍
  • 肝疾患
  • 呼吸器疾患

などにより、日常生活が困難になった場合に支給されるものです。若くても、事故や病気で障害年金を受け取れる要件に該当することがあるのです。

加入している年金と等級で支給額が変わる

要件は、初診日において、どの年金に加入していたかによって「支給されるかどうか」、「支給額」は変わってきます。

  • 国民年金の場合:1級、2級
  • 厚生年金、共済年金の場合:1~3級

障害の程度により、等級が決まります。厚生年金、共済年金の場合は3級までありますし、もし3級に該当しなくても支給される一時金もあります。国民年金に比べて保障は厚いですね。

1級>2級>3級と、1級が最も重度の障害である、と位置づけられます。(ちなみに、年金の障害等級と身体障害者手帳や療育手帳の等級は同じではありません)

支給額
1級 975,100円/年(月に81,258円)
2級 780,100円/年(月に65,008円)厚生年金や共済年金の方は、さらに上乗せされた金額が支給されます。
3級 その方の加入期間や報酬などによる(最低保障585,100円)

認定を受けるために必要な2つの条件

  1. 初めて医師の診察を受けた日から1年6ヶ月経過した時に障害の状態にあること。
  2. 保険料をきちんと納付していること。

1.については1年6カ月経過しないといけないので、すぐには申請できないのです……。ただし、1年6ヶ月以内にペースメーカーを装着した、足や腕を切断した、人工肛門を造成した、という場合は、その日が認定日になります。また、2.については滞納している期間がある場合は、要注意です!(細かな基準は日本年金機構、最寄りの社会保険事務所にてご確認ください)

病気によっては、症状が安定しない(良くなったり、悪くなったりする)こともあるかと思います。また、当初は認定を受けらなくても、後々重症化したり、合併症により症状が重くなる事もあります。その場合は、「事後重症による年金」「はじめて2級による年金」により、再度請求することで認定を受けられる事もあります。医師と相談したり、社会保険事務所などで確認したりしながら、手続きを進めていって頂けたらと思います。

考えたくないことですが……「もしも」の時にはこういった年金ももらえる「権利」があることを、ぜひ知っていただき、各種相談窓口にて該当するかどうか、どんな手続きをするか、などをご確認いただけたらと思います!

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20~30代女性の為の、今知っておくべきマネー講座』2015/10/4号より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による

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