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ついに始まった水道民営化、なぜ日本は海外「水道代5倍」の失敗例を無視するのか?

仏ヴェオリア日本法人が出向

2018年11月29日の朝日新聞電子版の記事の一部抜粋です。

水道などの公共部門で民営化を推進している内閣府民間資金等活用事業推進室で、水道サービス大手仏ヴェオリア社日本法人からの出向職員が勤務していることが29日、わかった。今国会で審議中の水道法改正案では、水道事業に民営化を導入しやすくする制度変更が争点となっている。

今回の民営化の手法は、コンセッション方式と呼ばれ、自治体が公共施設の所有権を持ったまま、運営権を民間企業に売却できる。政府は、水道のほか空港や道路を重点分野として導入を推進。下水道では今年4月に浜松市が初めて取り入れ、ヴェオリア社日本法人などが参加する運営会社が、20年間の運営権を25億円で手に入れた。

出典:水道民営化、推進部署に利害関係者? 出向職員巡り議論 – 朝日新聞デジタル(2018年11月29日配信)

「この法案で最も利益を得る可能性がある水メジャーの担当者が内閣府の担当部署にいる。利害関係者がいて公平性がない」とする社民党福島瑞穂議員の質問に対して、内閣府民間資金等活用事業推進室は「浜松市なら問題だが、内閣府はヴェオリア社と利害関係はない。この職員は政策立案に関与しておらず、守秘義務なども守っている」として、問題ないとの立場だと答えたことを報じています。

ヴェオリア・ウォーター社は、フランスの多国籍総合環境サービス会社ヴェオリア・エンバイロメントの水処理事業部門会社で、ウォーター・バロン(水男爵)と呼ばれるスエズ、テムズ・ウォーターと並ぶ世界三大水処理企業の1つです。いわゆる「水メジャー」です。

再公営化される海外事例を学んでいない

海外では、水道事業を民営化した後、様々な問題が生じて公営化に戻す「再公営化」の動きが目立つそうで、2000年から2015年の15年間で、37カ国235都市で再公営化がされているそうです。

前回、このテーマでコラムを書きましたが、そのときの海外失敗例もあわせて、いくつかご紹介します。

水道の民営化の失敗例としてよく知られているのがマニラボリビアの事例です。

マニラは1997年に水道事業を民営化しましたが、米ベクテル社などが参入すると水道料金は4~5倍になり、低所得者は水道の使用を禁じられました

またボリビアは1999年に水道事業を民営化したものの、やはりアメリカのベクテルが水道料金を一気に倍以上に引き上げ、耐えかねた住民たちは大規模デモを起こし、200人近い死傷者を出す紛争に発展しました。

当時のボリビア・コチャバンバ市の平均月収は100ドル程度で、ベクテル社は一気に月20ドルへと値上げしたのです。大規模デモは当時の政権側は武力で鎮圧されましたが、その後、コチャバンバ市はベクテルに契約解除を申し出ると、同社は違約金と賠償金を要求してきたそうです。

この違約金ですが、今回の改正で、日本の自治体は民間企業と「20年間」という長い機関の契約を結ぶことになります。

当然、不都合による途中解約だと違約金が発生します。

Next: 「貧乏人は水を飲むな」もありうる。私達の命を海外企業に預けていいのか?

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