「貧乏人は水を飲むな」もありうる
外資が参入してきて水道料金を引き上げ、水道料金が支払えない低所得者層は水が飲めずに、衛生上よくない水を飲んで病気になるケースがみられ、民間の水道事業者が利益ばかり追いかけたことにより、「再公営化」が世界の潮流となりつつあるという指摘もあります。
この外資企業と言われるのが「水メジャー」と呼ばれる企業で、2強と呼ばれるのがスエズ・エンバイロメント(フランスや中国、アルゼンチンに進出)とヴェオリア・エンバイロメント(中国、メキシコ、ドイツに進出)です。
フランスのパリでは、1980年代に民営化した後、30年で水道料金が5倍になったことで、2010年に再公営化したそうです。
米国アトランタでは、企業の人員削減で水処理が不十分になり、茶色の水が出るという水質低下が見られたという例があります。
他にも、老朽化放置で漏水率が上がっている都市もあれば、鉛が溶け出して水道汚染事故が起きているところもあるようです。コスト削減による補修工事延期の結果です。
私たちの命を海外企業に預けていいのか?
人間が生きていくうえで必要なのは「空気」と「水」…。
老朽化した水道管の更新を急ぐことは重要で、それは災害対策の一環としても大事なことでが、それがコンセッション方式による民間企業活用が良いのかどうか、水道料金の右肩上がりの値上げだけでなく、安全面としてでも、私たちはもっと関心を持つべき法案だと思います。
この「再公営化」の海外事例に関しては、政府は235例中3例だけ分析検討しただけで、水道法改正案を可決させました。
「ダム建設」は引き続き推進か
ちなみに、ダムを建設すると水道料金は上がります。横浜市では不必要と言われた宮ケ背ダム建設時で、水道料金は値上がりました。
厚生労働省は、人口減少で水の需要は減ると言い、国交省は水不足で治水のためにダム建設は必要と訴えています。予算は国交省に付くので、ダム建設は続き、私たちの水道料金は上がるようです。
その予算を厚生労働省の水道事業に回せば、全国の老朽化した水道管更新を、私たちが支払う水道料金値上げだけに頼らないで済むはずです。その予算は2300億円だそうです。
世界で水をめぐる戦争が起きるとしたら、水需要が膨らむ中国は負け組みとなり、ツンドラ氷河を利用できるロシアは勝ち組になるそうですよ。これは全くの雑学です。
いずれにしても水道法改正は可決されました。
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ファーウェイ・ショック
今から6年前の2012年10月、米下院情報常設特別委員会が「中国の通信機器会社であるファーウェイとZTEによりもたらされる米国の国家安全保障問題に関する報告書」が出されています。
当時の両社従業員に聞き取り調査を行った結果「中国には、悪意のある目的のために、電気通信会社を通じて、米国で販売される中国製の電気通信の構成品およびシステムに、悪意のあるハードウエアまたはソフトウエアを埋め込む可能性がある」と報告しています――
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※本記事は、らぽーる・マガジン 2018年12月10日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『らぽーる・マガジン』(2018年12月10日号)より一部抜粋
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