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今期好業績のソディック<6143>が、PER5倍でも買いとは言えない理由とは?=栫井駿介

目の前の数字を追うのではなく、長期的な展望を持つこと

今回は数値によるスクリーニングをかけましたが、目の前の数字だけ見ていたのでは危険です。事業の特性を認識し、本当の意味で「あるべき価値」を見出すことが本来アナリストのするべき仕事だと確信しています。

ソディックに関しては、昔取った杵柄で現在も生き残っていますが、それがいつまで続くかわかりません。いまや世界の製造業の中心は中国に移っているため、地場の企業が追いついてくる可能性も否定出来ないでしょう。

足元は景気が盛り上がり、実力以上の業績が出てしまっているため、容易に手を出せる状況ではありません。一方で景気が悪くなった時は逆に「実力以下」の業績となってしまうことから、本質的な価値よりも大幅に割安な状況になる可能性もあります。

そのときには、まず業績の悪化で経営が立ち行かなくなる可能性がないかチェックし、さらに需要が盛り上がってきた時に他社に負けない製品を作る力を持っていることを確信できれば、絶好のチャンスとなるでしょう。

多くの会社では、調子がいい時に将来への投資を怠り、その後の景気の悪化でジリ貧になってしまいます。逆に調子の悪い時に地力を蓄え、調子がいい時も将来への投資を怠らない会社こそが本当にいい会社と言えます。そんな企業をこれからも探し続けたいと思います。

<投資のポイント>

  • ソディック<6143>は「放電加工機」などの工作機械メーカー。直近は「中国特需」で業績伸張
  • 工作機械メーカーは好況時と不況時の落差が大きい。過去10年平均EPSに対するPERは約15倍と必ずしも割安ではなく、成長事業が育っているわけでもない。
  • 不況時には株価が下がってチャンスとなる可能性があるが、いずれにしても競合に負けない製品力と将来への投資は不可欠。長期的な展望のある会社に投資したい。

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※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2018年12月13日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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