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「醤油のキッコーマン」が外国人にとって特別な日本株になった理由=若林利明

ハイテク株以上に買われたキッコーマン

2013年の東京市場全体は57%と大きく上昇しましたが、2014年、勢いは急速に鈍化し市場全体では8%の上昇に留まりました。しかし、キッコーマンは2013年、61%も上昇した後、2014年さらに49%も上昇しました。

ハイテク企業並みのPER水準まで買い進まれたのです。利益の伸びの中心は、日本以外の地域における醤油ビジネスの貢献です。海外における和食文化の普及は、世界遺産登録もあり急速に高まっています。

2020年のオリンピックもあり、また最近の海外からの観光客急増もあり、この動きがさらに加速しているようです。

この社会的背景の盛り上がりを織り込む形で、また当社の実際の経営上の実績も好調であり、日本独自の発酵技術をベースとした醤油の魅力を代弁するキッコーマン株は特別な日本株として外国人投資家に映るようです。30倍以上のPERはハイテク株以上の買われ方です。

キッコーマン以外には?「新消費関連国際株」の条件

いっぽう醤油以外の日用品の分野でも、同じ類の新消費関連国際株ともいえる銘柄群があります。花王<4452>は日用品で日本の消費者に浸透した企業ですが、その日本国内で確立した商品の信用をもって海外へと進出しました。

とくに、アジア地域の発展途上国における消費者は日本の日用品に対する評価が高く、現地では大変人気があります。この需要を上手く取り込んで業績を浮上させている企業の代表例なのです。

花王もかつては国内関連企業として位置付けされ、比較的安いPERの株価であったことを考えると大変身の銘柄と言えます。あらためて消費関連国際株として花王、キッコーマンに共通している内容を挙げると次の点になります。

  • 国内で培った技術で高い商品の信用を確立
  • 消費者に直結する商品
  • 海外での高評価が株価に反映

これら銘柄は日本発であり、ハイテク分野でない消費関連国際株として高い評価を今後も持続する可能性があります。また同種の内容、あるいはその事業資質を持った銘柄群が今後も各種分野で登場してくる可能性があります。新たなジャンルの定着です。

筆者プロフィール:若林利明
外資系機関投資家を中心に日本株のファンドマネージャーを歴任。現在は創価女子短期大学非常勤講師、NPO法人日本個人投資家協会協議会委員。世界の株式市場における東京市場の位置づけ、そこで大きな影響力を行使する外国人投資家の投資動向に精通する。著書:「資産運用のセンスのみがき方」(近代セールス社)など。

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投資の視点』(2015年11月6日号)より一部抜粋

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