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春が来た!「国の教育ローン」を使いこなす11のポイント=新美昌也

Q.6~下宿の生活費も借りられる?

子供が、東京の私立大学に進学することになりました。下宿するとなると生活費が大変です。生活費を借りることはできますか?

A.6~生活費はNGだが、住居費用はOK

残念ながら、生活費は借りることができません。住居費用はOKです。

使い道の代表例は次の通りです。

  • 学校納付金……入学金、授業料、施設設備費など
  • 受験にかかった費用……受験料、受験時の交通費・宿泊費など
  • 在学のため必要となる住居費用……アパート・マンションの敷金・家賃など
  • 教科書代、教材費、パソコン購入費、通学費用、修学旅行費用、学生の国民年金保険料など

Q.7~教育ローン申請時の注意点は?

高校2年の保護者です。高校での進学マネープラン講演会で、国の教育ローンを初めて知りました。国の教育ローンを申し込む場合の注意点を教えてください。

A.7~公共料金の延滞とマイナンバーが載った住民票には気をつけて

特に留意すべき点をご案内します。

預金通帳

住宅ローン(または家賃)と公共料金の両方の支払い状況が確認できる預金通帳の6か月分のコピーが必要になります。

この間に延滞があると、かなり不利になりますので注意しましょう!

コンビニエンスストア等で支払いをされている場合は領収書(最近6ヵ月分以上)が必要になります。しっかり、領収証は保管してくださいね。

住民票

世帯全員が記載されたもの(原本)が必要です。本籍地とマイナンバーの記載はないものを提出します。マイナンバーが記載されているものは、番号を黒塗りして提出します。

Q.8~どんな人を連帯保証人にできるの?

妻を連帯保証人にできますか?

A.8~別生計・別居で、かつ、4親等以内の親族

残念ながら、奥様は、連帯保証人にはなれません。連帯保証人は、ご主人と、別生計・別居の方です。また、原則、お子さんの4親等以内の親族の方になります。

一般的に、本人からみて、以下が4親等以内の主な方です。

  • 親、祖父母、子、孫、ひ孫
  • 兄弟姉妹、甥、姪
  • おじ、おば、いとこ(いとこの配偶者は親族でない)
  • 配偶者の親・子・兄弟姉妹

Q.9~2人の子供が同時に大学進学。350万円では足りない…

双子の子供が来年大学に進学します。1人は、海外の大学に進学します。国の教育ローンを借りようと思いますが、350万円では足りそうにもありません。どうしたら良いでしょうか。

A.9~350万円の借入限度額は子供1人あたり、留学資金は450万円以内

国の教育ローンは350万円が借入限度額ですが、これは、世帯ではなく1人あたりの限度額です。お子さんが2人であれば、それぞれ350万円まで借りることができます(実際に借りられるかどうかは診査結果によります)。なお、留学資金ということであれば、450万円以内です。

Q.10~返済は「入学後から」で大丈夫?

国の教育ローンの返済方法に「元金据置」があると、保護者会の進学マネープラン講演会で聞きました。これは、子供が在学中は利息だけ返済すれば良いということらしいのですが、返済は入学後からという理解でよろしいでしょうか?

A.10~間違えやすいポイント!返済は融資後、翌月または翌々月から

「在学期間中は利息のみの返済が可能」と国の教育ローンのサイトに書いてあります。この在学期間中というのは、大学等の在学期間中と勘違いしやすいので、入学後から返済が始まると勘違いするのも無理はありません。

実際の返済は融資を受けた翌月または翌々月から始まりますので注意してください。

Q.11~世帯年収900万円でも教育ローンは借りられる?

子供が私大に進学することになりました。子供は1人です。私と妻の年収を合わせて900万円です。住宅ローンなどを支払っており、お金に余裕があるわけではありません。国の教育ローンを借りることができるでしょうか。

A.11~世帯年収で上限はあるが、特例要件もあり

国の教育ローンには、世帯年収の上限が扶養する子供の人数により決められており、原則、その金額を超えると利用できません。たとえば、扶養する子供が1人の場合、世帯年収の上限は年収(給与)790万円です。

しかし、特例要件により、住宅ローンなどを抱えている場合、条件を満たせば、要件が緩和され上限が990万円となります。相談者の場合、借りることができる可能性がありますので、政策金融金庫に問い合わせてください。

また、所得は、借入時の前年の所得で判断しますので、前年の所得が上限を超えていても今年の所得が上限以内であれば、借りられる場合があります。

【関連】病気を隠して保険に入ったらどうなる?~医療保険4つの常識=新美昌也

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大学・専門学校への進学マネー講座』(2015年11月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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家庭の事情(経済的理由)で大学への進学を諦めていましたが、奨学金などの学費支援制度を活用して、私立大学に自力進学しました。その経験を活かし、首都圏を中心に年間70校以上の高校で進学マネー講演会を行っています。生活保護世帯から高所得者世帯まで、本当に知りたい進学費用や工面の方法についての情報をお届けします。特に、高校の先生や高校生の保護者には役立つ内容です。

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