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鳥観図を持てばバブルに気づく?マクロの視点を身に付ける大切さがわかる3つの実例=房広治

日本のGDPがアメリカと同じ?

1971年まで1ドル360円で固定されていたのが、1990年ごろの第1次円ピークの時に79円台になったことがあった。その時に、1ドルを79円で計算すると、なんと日本の国民総所得が人口が2倍以上で一人当たりの所得も日本よりも多そうなアメリカを抜いてしまう計算であった。

ジャーナリストでそのようなことをいう人はいなかったが、私の父の友人で、日本の相場師4名の中に選ばれていた金子太郎氏と会ったときには、2人でこの話で盛り上がった。

この時の私の結論は、為替の専門家、学者の言っていることは、どれもあたらない。自分で長期的なトレンド、鳥観図を持たなければならないということであった。

日本の時価総額がアメリカを超えた?

1986年から1989年までを日本のバブルと呼ぶが、1988年ごろには東証上場会社の時価総額の合計がニューヨーク証券取引所上場会社の時価総額を抜いていたのだと思う。NTTの民営化などで、それまで株の売買をしたことが無かった人々が初めて株を手にしたことなどから、マスコミでの報道も多数あり、バブルを助長していった。バブルが終焉すると、利益の合計の少なさから、あれはおかしかったという証券会社のストラテジストやエコノミストという輩が、バブルの最中には、日本は持ち合いがあるから株が高いのだなどと、非論理的なことを平気で言っていたのである。

ということで、これら3つの例から、長期的なトレンドを考える尺度はいくつかあるのだが、それを考えずに、短期的な価格のトレンドだけを見ていると、バブルにも気づかないで終ってしまうのだ。逆に鳥観図を持っていれば、バブル期に長期的な投資行動をとることができ、それは、長期的な成功に結び付くのである。

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房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2019年2月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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