投資先としてM&Aで成長する企業が注目される一方、その健全性について話題に上ることも増えています。M&Aや事業買収でどのような指標に注目すべきかを紹介します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年3月5日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
じげんとマイネットの決算説明資料から学ぶ
Q. 再生型の買収を行う会社で注目すべき指標とは?
A. 再生型の買収をしている会社を見る時は、以下の3つに注目しましょう。
1. 年間リターン・累計回収率・回収期間
2. 自己資本比率
3. 「のれん: 資本」倍率
1. 年間リターン・累計回収率・回収期間
2. 自己資本比率
3. 「のれん: 資本」倍率
M&Aや事業買収というのも色々なパターンがありますが、今回は再生型の事業買収にフォーカスしたいと思います。
これらの3つの指標は言い換えれば,
1. 早めに回収出来ているか?
2. 多額に借入れてまで投資しているのか?
3. 高値買いし過ぎていないか?
という、買う側、投資する側からすればごく自然に気になる指標とも言えます。
ここで言う再生型というのは、どちらかと言うと成長率の低い会社や事業を買収して、PMIをしっかり行い、再生や収益化を加速していく、というイメージです。
ちなみに再生型以外にも、例えばFacebookがInstagramを買収したように、グロースや成長スピードを買うというM&Aもありますが、今回はそちらは触れませんのでご了承ください。
再生型の事業買収を数多く成功させている会社として、ここではじげんとマイネットの2社を取り上げてみたいと思います。
さらにこの2社が良いのは、これらの点が決算書上で比較的明確に開示してあるという点です。