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再生型企業のM&Aで成長する、じげんとマイネットは適切な買収ができているか?=シバタナオキ

指標その1. 年間リターン・累計回収率・回収期間

初めに注目すべき指標は、実際に買収に投じたお金をどの程度の期間で回収でき

皆さんの個人の財布で考えて頂くと分かりやすいのですが、例えば皆さんがマンションに投資をする場合、最初に投資した金額を何年で回収できるのか、というのは、当然計算されるかと思います。

事業買収の場合も、全く同じ様に考えると分かりやすいかと思います。

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まず、じげんの直近取得の2件や売却済みの1件を除く、過去の9件のM&Aに関して、企業買収に投じたネット資金が77億円であるのに対し、2019年3月期でEBITDAベースで28億円回収する予定だと書かれています。

つまり、100のお金で事業を買収して、一年あたり36ずつ回収出来るという計算になりますので、仮にこのペースが継続するとすれば、約3年で買収に投資したネット資金を回収できることになります。非常に早いペースだと言えるのではないでしょうか。

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じげんの決算資料に具体的な事例として掲載されていたのが、ブレイン・ラボの事例です。

じげんはこの会社を当時11億円で買収しましたが、買収後、このスライドにあるように売上が右肩上がりで増え、2019年3月期時点で、買収に投じた金額をほぼ回収できるという計算になっています。

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マイネットの方を見てみると、事業買収をした年度ごとに、どの程度の金額が回収できているのか、というのが分かりやすいグラフで開示されています。

2014年から2016年度に買収したものに関しては、既に買収に投じた金額が回収済みとなっています。

マイネットでは、償却基準を24ヶ月と定めているようです。このような数字を計算資料で開示しているというのは、非常に透明性が高いと言えるでしょう。

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具体的な事例として、こちらのスライドにあるようにポケラボからの事業買収は、既に大きく投資金額を超えた額を回収済みで、クルーズからの事業買収やグラニからの事業買収も、順調なペースで投資した金額を回収出来ていると言えるのではないでしょうか。

このように再生型のM&Aでは、買収に応じた資金をどの程度の時間で回収できるのか、というのが一つの目安になると言えるでしょう。

じげんの場合は3年から5年で回収できているという実績があり、マイネットの場合は24ヶ月というのを一つの目安に定めている、という点を覚えておきましょう。

Next: 買収を多くする企業について、確認しておきたいポイント

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