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「逆オイルショック」に備えよ~原油安と米利上げ、相反する2つの材料

ゴールドマン、原油価格20ドルを想定

これらの結果、ロシアを含めた非OPECの減産が期待できず、OPEC内でもイランの増産分をサウジ以下が減産でカバーする状況ではないため、全体としての石油生産は増えやすくなります。

中国経済がこれを吸収するほど急回復するとも思えず、石油需給はさらに悪化すると見られます。これらを見て、ゴールドマンは原油価格を20ドルと予想しています。

これは産油国にとっても収入減少になるので、石油依存の大きい中東やロシアの財政は悪化します。原油発の財政危機を見ておく必要があります。

オイルマネーの減少は、これをあてにしている国債市場や株式市場には売り材料になります。米国の中小シェール企業の中には、破たんするところも出るでしょう。

極端な原油安が進めば、米利上げサイクルに悪影響も

そこへ米国が利上げに出ると、クレジットの悪化と流動性の制約が重なって、金融トラブルの発生リスクが高まります。

その米国ですが、利上げを開始しても、原油価格が一段と下げると、インフレ期待が低下し、FRBが予想するほどインフレが高まらず、利上げサイクルが途中で立ち消えになる可能性があります。

米国の利上げを織り込んだ為替市場では、米国の利上げ頓挫となるとドル安、円高が起こりやすくなります。それは日本の株価や企業収益に下押し材料となります。

原油価格の下落は世界の景気の悪さの裏返しでもあり、そこで米国が利上げをすれば、信用力のないものから売られます。一方で米国債市場ではイールド・カーブがフラットになります。

原油安と米国の利上げという、相反することが同時に起こると、金融市場は思いがけぬ混乱を見せる可能性があります。

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マンさんの経済あらかると』(2015年12月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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