米中通商摩擦や欧州の景気後退など、世界にさまざまなリスクを抱えつつもなぜか安定した株式市場と為替市場。日本は10連休を控え、どんな動きを見せるでしょう。(『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』)
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米中貿易摩擦はじめ、世界のリスクを無視して上がる株価
日本では平成から令和への改元に合わせたGW10連休も控え…
株式市場や為替市場は、不安定ながらも安定した動きを続けています。
米中通商摩擦や米国一国主義、欧州の景気後退不安、あるいは中国経済の減速、いつまでも片付かない英国のEU離脱問題など、いくらでもリスクがあるのですが、市場は奇妙な安定状態です。
米国株は年初来非常に腰が強くなっており、NYダウや、ナスダック指数は過去最高値まであと2~3%もあれば到達というところまで来ています。
日本株については、外国人投資家による売りが継続しています。それを日銀が買い支えている構図が続いています。ドル円為替市場も年初来110~112円で非常に安定しています。
米国ではFRBが利上げを停止していますが、当初それをみて「円高」リスクを声高に叫んでいた人もいまは黙ってしまいました。
日本は、天皇退位、新天皇即位、平成から令和への改元に合わせた10連休ということかつてないようなことが予定されています。金融市場ではこの10日も市場が開かないということをリスクとみている人が多いのですが、その割には急いでポートフォリオを手仕舞いしてしまおうという動きもないようです。
もし市場全体としてリスクを感じているなら、とっくの昔に株価は値下がりしているはずだからです。
私が思うに、10連休はたしかにリスクがあるかもしれないけれども、連休明けには投資を控えていた資金が市場に流入する可能性が高いので、だからこそ連休前に仕込んでおきたいという投資家もかなりの数存在しているのだろうということです。
いま日本株市場は出来高が少なく、東証1部の売買代金が2兆円を割ることも当たり前になってきています。世界情勢が安定していえない状況の中、盛り上がりを欠いてはいますが「お祝いモード」が壊れてしまうようなことにはならないとみていいでしょう。
むしろ、米中通商交渉妥結という期待を忍ばせながらマーケットが静かに動いているというのが実際のところのような気がします。
米中が妥結すれば、外国人投資家の日本株売りはストップし、逆に大量の日本株買いに走ることが期待されます。それは大型株から小型株まで軒並み買われることを意味します。そういう視点を持っていたほうがよさそうです。
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『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』(2019年4月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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