米朝会談が何の成果もなく終わったあと、様々なリスクが浮上してきています。ロシアと中国の怪しい動き、北朝鮮の内乱の可能性など陰謀論も渦巻くなか、世界経済はどう反応するでしょうか?(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年3月20日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
ロシアの入れ知恵で動いている?経済貧国・北朝鮮で内乱勃発か…
米朝会談を甘く見ていた金正恩
ご存知のとおり、2月末にベトナムで開催された米朝首脳会談は、事前のハノイにおけるお祭り騒ぎのわりには何の成果もないままにそそくさと終了。楽観論が全くワークしないことを改めて見せつける結果となりました。
そもそも米国とかなりシリアスな戦争をしていたベトナム・ハノイの人々がここまでお祭り騒ぎのように盛り上がるというのも、75年前の徴用工問題の賠償をいまだに求めてくる韓国とは、ずいぶんセンチメントが違うものだと感心させられました。
この会談をもっとも甘くみていたのは、当の北朝鮮だった可能性が高いでしょう。破談を受けて北朝鮮は、米国との核協議の停止を検討しています。
さらに米国が譲歩しなければミサイル発射や核実験の一時停止措置についても再考する可能性があるとロシアのタス通信が伝えたことから、様相ががらりと変化しつつあります。
北の影にはロシアの入れ知恵がある?
そもそもこの北朝鮮という国は、旧ソビエトの画策で建国された国といっても過言ではなく、その命運に常にソビエトやその後のロシアの影がちらつくのは言うまでもない状況です。
今回の核協議停止の話も、ロシア・タス通信が発信源となって世界に広がっている点は見逃すことのできないものと言えます。
ロシアにとっては世界情勢が安定化するよりも、常にどこかで米国の絡む部分に緊張関係がある方がいろいろと都合のいい部分が多いようです。ベネズエラとともに、北朝鮮はこのまま残しておきたい意向がかなり強いようにも思われます。
とくに北朝鮮が核開発を継続し、ことあるごとにロケットを飛ばすというこれまでのスキームをロシアが継続的に後押しする可能性もあるわけです。