1. Find(物件開拓)
はじめに物件開拓ですが、現在72万4,000席分の物件が条件交渉中となっています。
72万4,000席分というのは、全体のワークステーションの39%に相当する席数で、約4,000万スクエアフィート分(約3.7平方キロメートル)のオフィスが現在契約待ちという状態になっているという意味です。
2. Sign(物件契約)
物件が見つかると次に契約を行います。現在32万7,000席分のオフィスが契約済みで、まだ工事が始まっていないという状況になっています(全体の18%に相当します)。
WeWorkのオフィス開拓スピードというのは凄まじいものがあり、左側のグラフにある通り、2018年の1年間だけで331箇所で契約が結ばれました。右のグラフにある通り、2018年の1年間で1,270万スクエアフィート分(約1.2平方キロメートル)のオフィススペースが追加されています。
3. Build(物件改装)
契約が終わると次に内装工事を行います現在19万5,000席分のオフィスが工事中になっており全体の10%に相当します。
左のグラフにある通り、通常オフィス工事には9ヶ月程度かかりますが、WeWorkの場合はそれが5ヵ月で完了すると書かれています。
右のグラフにある通り、一席あたりの工事にかかる費用が2014年には$7,000(約70万円)を超えていたのに対し、2019年にはその約半分である$3,661(約37万円)まで下がっており、オフィス工事の効率化が急激に進んでいることも読み取れます。
WeWorkの強みとしては、このスピード感と規模の効果を利用した、コスト削減というのが大きなポイントになっているのではないでしょうか。
4. Fill(入居者募集)
物件の工事が終わると、次にオフィスをオープンして入居者を募集します。
WeWorkのモデルにおいては、オープン後24ヶ月までの物件をこのステージに分類していますが、現在4万2,000席分のオフィススペースがこのフェーズにあることになります。全体の23%に相当します。
上でも述べましたが、左のグラフにある通り、大企業の会員数が全体の40%にまでなってきており、売上が安定していることがよく分かります。
右のグラフがオープン後の充足率になりますが、2018年においてはオープン時点で52%の席が販売済みで、6ヶ月経つとそれが84%にまで増えるという具合に、WeWorkは営業マーケティングがとても上手な会社だという印象を受けます。
5. Run(運営)
物件がオープンして24ヶ月以上経つと、このRunというフェーズに入ります。
現在全体の10%に相当する18万席がこのフェーズにあります。
お店がオープンして18ヶ月経つと、充足率が平均で89%になっているという数字も公開されています。
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