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トランプのツイートが市場波乱の本当の要因ではなかった…止まらない企業収益の悪化=馬渕治好

8/23に米国株価と米ドル相場(対円)が下振れしたが、その市場波乱の本当の要因は、トランプ大統領のツイートではない。真の4つの要因と今週の相場の行方は…。(『馬渕治好の週次メモ「時の花」』)

※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2019年8月26日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。

馬渕治好の週次メモ「時の花」2019/8/26号より

日経平均:主要国の景気・企業収益の悪化は進む

<今週(2019/8/26~8/30)の日経平均予想>

1万9,500~2万400円
(先週の予想:2万~2万700円)
(実績値:2万482.62~2万731.19円)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

先週末(8/23、金)に、米国株価と米ドル相場(対円)が下振れしたが、その市場波乱の本当の要因は、トランプ大統領のツイートではない

真の要因は、1)主要国の景気や企業収益がかなり前から悪化し続けており、2)そうした悪化傾向は米連銀など中央銀行の多少の金融緩和では覆せない事態になっているうえ、3)米中通商交渉は両国間の溝が深く、進展など望み薄であるにもかかわらず、4)最近まで米株価が、「連銀が利下げするから、金融相場で株価は上がっても良い」「米中通商交渉は進展するのだ」と、実態悪から目をそらして堅調に推移していたことにある。

つまり、こうして最近まで「誤って」堅調に推移していた米株価が、ようやく実態悪に向かって「正しく」下落を進め始めたわけだ。その下落過程の一部が、先週末にやや大きめに表れた、ということが、先週末の市況下振れの真因だと考える。

日本も含め、主要国の景気・企業収益の悪化は、さらに進むだろう。実態悪は2020年前半辺りまで続くと見込んでいる。市場はそれを先取りし、今年内に株安・外貨安の大半を消化してしまうと予想するが、まだ株価の底までは距離がある。

為替:米ドルの対円での下落基調は続く

<今週(2019/8/26~8/30)の米ドル円相場予想>

104.20~105.50円
(先週の予想:105.70~106.60円)
(実績値:105.26~106.73円)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

今後も、米国経済の悪化と米株価の下落、それに対応するための連銀の金融緩和などにより、米ドルの対円での下落基調は続こう

加えて、トランプ政権の米ドル安志向が一段と強まる可能性が高いと見込む。既に対中では、為替操作国に認定するなど、中国元相場を巡って衝突が始まっているが、これまでのトランプ大統領の米連銀批判は、利下げによる経済支持効果より、米ドル相場についての不満との絡みでなされることが多い(特にECBの緩和に前向きな姿勢との対比などで、対ユーロでの不満)。いずれ対ユーロ(いずれは対日本円も?)での米ドル安志向が米政権から一段と強まり、それが米ドルの全面安要因となることが懸念される。

TOPIXベースの予想一株当たり利益の下方修正が止まらない

【今週の一枚】

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TOPIXベース(=東証一部全銘柄)の予想一株当たり利益予想値(アナリストの予想平均値、ファクトセット調べ、向こう12か月予想値)の52週前比(ほぼ前年比)をみると、予想の下方修正が止まる気配がない

直近の前年比は7.69%の減益で、2012年当時にはまだ及ばないが、2016年の減益率に迫り、近いうちにそれを超えそうだ。

このように、利益予想値の下方修正がどこまでも続きそうな状況では、予想PERを算出しても、その分母が先行きどこまで小さくなるかがわからない(株価が全く上がらなくても、予想PERがどこまで上がってしまうかわからない)ことになる。このため、予想PERで割安さを論じようとしても、意味のある下値メドはつかめない

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image by: jctabb / Shutterstock.com


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馬渕治好の週次メモ「時の花」』(2019年8月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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