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悪い冗談であってほしい「日銀審議委員に新生銀行執行役員」報道=近藤駿介

4日付日経紙によると、政府は日銀審議委員に民間金融機関である新生銀行の執行役員を起用する方向で最終調整に入った。これについて元ファンドマネージャーの近藤駿介氏は「悪い冗談であってほしい」と懸念を隠さない。その理由とは?

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝えるメルマガ『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』がまぐまぐ大賞2015メディア賞を受賞。

一層進む日銀の相場偏重主義と金融政策の歪み

日銀審議委員に新生銀行執行役員

Unbelievable!! 悪い冗談であってほしい。

政府は日銀審議委員に新生銀行執行役員の政井貴子氏(50)を起用する方向で最終調整に入った。人事案は4日に衆参両院がそれぞれ開く議院運営委員会理事会で示す。任期は5年。与党などの賛成多数で就任に必要な国会の同意を得られる見通しだ。

出典:日銀審議委員に政井氏を提示へ – 日本経済新聞(2016年2月4日付)

日銀は金融政策を議論する場であって、相場を論じる場ではない。

日銀の相場偏重主義が一層進み、金融政策がさらに歪められていくという不安を禁じ得ない。日銀の仕事は相場を動かすことではないということを再確認して貰いたい。

メディア露出の多い民間金融機関の人間を重用し過ぎると、政策当局と金融機関の距離が近くなり過ぎ、コメンテーターの多くが政府の応援団と化し、視聴者は中立・客観的情報に接する機会を失うことになる。これでは金融リテラシー向上など望むべくもない。

政井貴子(まさいたかこ)氏プロフィール

新生銀行執行役員 金融市場調査部長

経営学修士。トロントドミニオン銀行資本市場部アソシエイトディレクター、クレディアグリコル銀行金融商品営業部部長を歴任の後、2007 年5 月新生銀行に入行。キャピタルマーケッツ部部長、市場営業部部長等歴任後、2013 年4 月より新生銀行初の女性執行役員に就任。テレビ出演や新聞雑誌での経済コメントや寄稿提供、セミナーでの講演も多数。

出典:新生銀行Webサイト

日銀とFRBの大きな違い

※以下は『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』2016年3月5日号より追記

政府は石田氏の後任として調整していた政井貴子・新生銀行執行役員の4日の提示は見送った。

出典:日銀 消えゆく緩和反対派 – 日本経済新聞(2016年2月5日付)

安心してください、提示は見送られましたよ!!

と言いたいところだが、代りに提示されたのは「日本輸出入銀行(現在の国際協力銀行)の研究員などを務めた国際金融の専門家」(同日本経済新聞)。

政府は本当に実務経験を持たない専門家がお好きなようだ。

ここが日銀とFRBの大きな違い

大手銀行で唯一公的資金を返済できないでいる銀行の執行役員を、銀行を監督する立場にある日銀の審議委員に据えよう、という神経と同じくらい嘆かわしい。

以前から気になっていることは、国会が政府のチェック機能を果せない日本で、中央銀行の審議委員を政府が指名する今のやり方で、中央銀行の独立性を担保できるのかということ。

ここも日本と米国の大きな違い。

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近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2016年3月4日,5日号)より
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