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ヤマト赤字転落、株価は1年で半減へ。Amazonに媚びない3つの改革で業績復活なるか?=栫井駿介

ヤマトが利益を伸ばすにはどうしたら良いか?

それでは、ヤマトHDはこれからどうやって利益を上乗せしていけば良いでしょうか。私は、既に実行していることを含め、以下のことが不可欠だと考えます。

<その1:ロボット・ITによる物流の高度化とコスト削減>

ロボットやITによる高度化やコスト削減は待ったなしで進めなければなりません。業界最大手として、ここは決してケチってはいけないところだと思います。当面はこの費用が利益を圧迫することになりますが、投資家は長い目で見なければなりません

<その2:3PL事業への参入>

3PLとは「サード・パーティ・ロジスティクス」の略で、企業の物流を一手に担うことです。企業のアウトソーシングの流れが継続する中で、3PL市場も拡大が続いています。これにより、単に物を運ぶだけではなく、仕入れから販売まで無駄のない物流を企業に提供することで、利益率を高めることができるはずです。

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<その3:ダイナミック・プライシングの導入>

ダイナミック・プライシングとは、需要に応じて価格を変動させることです。閑散期は安く、繁忙期だと高くなります。ホテルや航空券では一般的に用いられています。冒頭にあったように宅配は繁忙期とそれ以外の差が激しいですから、繁忙期に料金を上げられれば、利益率は劇的に改善する可能性があります。

このようにしてみると、ヤマトにやれること、やるべきことはたくさん残っています。業界ナンバーワンの素晴らしい実績を持つ会社です。それを活かすも殺すも、戦略次第ということになるでしょう。

これからも暖かく見守っていきたいと思います。


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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年10月6日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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