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日本経済はアベノミクスで停滞…アメリカに唆されて進んだ、円安がもたらす銀行の危機=吉田繁治

日本人の年収順位は18位に落ちた

日本人の平均年収は403万円であり、世界で18位に下がっています。1位スイス1,073万円、2位ノルウェー921万円、3位ルクセンブルグ899万円、4位デンマーク835万円、5位オーストリア791万円、6位アイルランド767万円、7位オランダ685万円、8位米国645万円、9位ベルギー641万円、10位カナダ638万円。ここまでが世界の10位。

いつの間にか、10位にカナダがはいっています。5位オーストリアの791万円(日本の1.8倍)、6位アイルランド767万円(日本の1.8倍)は、年収429万円の日本から見れば、驚きでしょう。

11位スウェーデン624万円、12位英国614万円、13位フィンランド608万円、14位オーストラリア599万円、15位ドイツ547万円、16位フランス541万円、17位イタリア431万円、18位日本429万円、19位イスラエル408万円、20位スペイン403万円…(2018年7月:当時の1ドル=113円)
※参考:外国人が求めている給料と一緒に見たい!『よく働く国ランキング』‐IZANAU BETA(2018年7月14日公開)

先進国で最低ランクに落ちたのが、日本人の現役世代の平均年収です。円安政策つまりドル買い政策の日本政府は、この事実は隠して言いません。このため、日本人の所得は世界最高ランク(1ドルが79円だった1995年でしたが…)と思っている国民が大多数でしょう。

1990年からの30年、世界は成長経済、日本は停滞経済でした。

根本の原因は、国内投資が減少したことです。海外に、1,000兆円も貸しつければ(ドル債務証券の買い=貸し付け)、国内で投資するお金はなくなります。Aさんのお家から、となりのBさんの家に、1,000兆円貸したからです

しばらくすれば、失業率が13.8%(19年8月)のスペインにも追い抜かれると知れば、国民は、どう反応するでしょう。主因は、円マネーでドルを買って、国内での投資をして円高にしなかったことです。

以上が、2012年からの安倍政権での国民にとっての円安政策の結果です(=1年に20兆円~40兆円のドル買い/円売りの政策)。

米国企業の社債の、償還を保証するCLOまでを買った日本の銀行

日銀は、
・日本の金利をマイナスに下げ、
・金融機関の円国債を額面より高く買って、
・銀行に現金を供給する(日銀当座預金の増加:400兆円)。

国債を売って、現金を得た銀行や生保は、現金の0%の運用では困るので、金利2%台のドル国債や米国の債券、そしてデリバティブを買うか、保険料を受け取って、資産担保証券のCDS、混合証券の利払いと償還を保証するCLOという保証保険を引きうける。

農林中金だけではない。三菱UFJも2兆円分の米コカ社債の保証を引きうけて、保険料を貰って利益にしています。

米国の企業は、低い金利で社債を発行した

米国の企業は、CLOでの保証を日本の銀行が引き受けるので、
・低い金利で社債の発行ができ(4兆ドル)、
・その社債で得た現金(4兆ドル)で、
・自社株買いをして、株価を12兆ドルも上げて来たのです。

もともとは、日本の銀行が日銀に国債を売って米国株を買ったことと同じ、マネー移転でした(2011年から2018年)。

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