創業オーナー経営企業のリスク
ただ言えるリスクはこういうことだ。創業オーナー経営者が一歩間違えたら会社全体が間違えてしまう。パブリックな企業ではこういうことは会議で防止される。また、その大物経営者が急死したら株は暴落する。
筆者はいくつかの会社を上場担当責任者として上場させたことがある。これは企業役員退社後、未上場企業の非常勤取締役を4社ほど務め、そのうちの2社は上場させた。その時に主幹事会社が審査の対象とするときに、必ずリスクの第一として創業経営者・オーナー経営者・大株主であるところの誰々が急死した場合を「将来考えられるリスク」の筆頭に挙げている。リスク要因でもあるのだ。その場合に後継者を今のうちから養い、いつでもバトンタッチできるようになっていることを主張して(必ずしもそうでなくても)上場を果たした。
中長期の選び方
具体的な例で筆者の考えを述べたいと思う。昭和電工が日立の傘下の日立化成の買収を巡り、両者の株価が激変した。昭和電工は買収総額9,000億円の賭けに出て暴落した。日立化成は昭和電工に吸収されるということで暴騰した。3,500円ぐらいの株が一挙に4,000円ぐらいになった。昭和電工は3,300円台のものが一挙に2,800円近くまで下がった。どちらを買うか。筆者ならば賭けに出た方(昭和電工)を買う。賭けに出られた方(日立化成)の暴騰は昭和電工の力を背景にしたものだ。
ここで筆者は、今すぐ昭和電工を買うと言っているのではない。ただ、これは『週報 投機の流儀(動画解説版)』で話した「石原ファンド」という筆者のパートナーの石原氏が選んだ30銘柄の10年間の大底圏内にある「里帰り銘柄」の一つであり、それを話題にした時からかなり上がってしまっている。今買う気はない。ただ、ものの考え方として、賭けに出た方は暴落し、賭けに出られた方は暴騰した。その場合どちらをとるかを述べたのだ。
既に発表されている11月米製造業PMIは改善傾向を示しており、ISM製造業景況感指数も10月からの改善が予想されている。
以下の2銘柄は日経平均225構成銘柄の一つであり、「大通りにある割安銘柄」として常にその株価推移を注目している銘柄である。ホンダは割安30銘柄の中の一銘柄として取り上げた。
オービス・ジャパン・エクイティ運用戦略は2019年7月~9月の間に、ホンダの保有割合を2019年9月末:5.4%(←2019年6月末:4.0%)に引上げている。2019年8月安値(2412円)形成時、アベノミクス相場始動時の「里帰り水準」で買いの投資行動を行っている。
オービス・ジャパン・エクイティ運用戦略は2019年7月~9月の間に、日東電工の保有割合を2019年9月末:1.7%まで買付けし、1%以上の保有銘柄リストに新たに加わってきた。
アベノミクス相場始動時の水準に接近する水準までの押しはなかったが、底値圏に近い4,000円台の水準で買いの投資行動を行っている。
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第1部;当面の市況
第2部;中長期の見方
第3部;長期投資の銘柄選択の一尺度
第4部;的確に言い当てていた本、大きくはずした本
第5部;「資産価格バブルの経済理論」
第6部;「国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか」
第7部;読者との交信蘭
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※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』2019年12月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2019年12月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。