2020年の市況は?~気になる物件価格・利回り、融資の動向
さて、2020年の不動産市況ですが、劇的に良くなることはないと思いますが、徐々に改善されるというのが私の予想です。
一般の投資家が手を出せる価格帯の物件価格は少なくとも首都圏では2017年がピークだったと思いますが、融資が出ないにもかかわらず、そこから少しずつしか価格は下落していないのが現状です。
すなわち、表面利回りはそれほど回復していないというのが2019年末の状況です。
ですが、首都圏でもこの半年で価格が下がり、表面利回りが回復し始めたエリアもちらほら出てきました。
たとえば千葉県などは、水害の影響などもあるのか大幅に価格が下がり、一般の投資家でも利回り13%~15%の物件を購入することができるようになってきました。もちろん千葉県の東京寄りで23区へのアクセスが容易かつ駅からの距離も近い物件という前提でです。ほとんど東京という立地ですが、2017年には10%だと高利回りだと認識されていたエリアで13%~15%という数値が出るのは、価格の下落が始まっていることを示唆します。
2020年はこの傾向がさらに加速するものと思われます。首都圏の東側から順次、少しずつ利回りが上がってくるでしょう。
この流れを加速するのが、スルガ銀行など不正を行った金融機関の融資再開です。
2019年12月現在において、融資を停止していた金融機関が融資を再開し始めました。ないがしろにされていた融資条件(物件価格の何割まで、エビデンスは原本確認等)を徹底するとともに、コンプライアンスを向上して融資をしていくとのことです。
多数の不正を行っていた神奈川県付近の支店ではまだ自粛ムードで融資は再開されていないようですが、それ以外ではすでに新規顧客への融資がスタートしています。
なお、コンプライアンスを高めた結果、金融機関自体も不動産業者を選別するようになっており、不正に加担した不動産業者の物件については融資は出ないそうです。
また、レオパレス物件については、融資不可となっている銀行が多いため、今後価格の下落が見込めるかもしれません。
オリンピック後に不動産バブルは崩壊するのか?
公示地価など不動産のマクロ的指標だけを見ていると、あたかも地価が上がっているかのようにとらえられるのですが、実際はどうでしょうか。
2020年のオリンピック後には、不動産バブルが崩壊するとまことしやかにささやかれていますが、私は2020年に大幅な地価下落が起きるとは考えていません。
理由は2つあります。