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日経平均は小幅に反落、円安進行と新型肺炎の好悪材料が拮抗する形に

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 日経平均は小幅に反落。65.34円安の23413.81円(出来高概算5億6724万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、新型コロナウイルスの感染が日本や韓国に広がるなか、投資家のリスク選好姿勢が後退し、主要株価指数は揃って軟調に推移した。ゴールドマンサックスが新型コロナウイルスの影響が過小評価されていることを理由に、短期的な株価調整が入る可能性を指摘したことも相場の重しとなった。ただ、為替は1ドル=112円台に突入するなど円安進行は続いており、こちらはプラス要素。こうした新型肺炎による業績悪化と円安進行による輸出企業の採算改善という好悪材料が混在していることもあり、前場の日経平均は一時100円超と先物主導で上昇するも、次第に上げ幅を縮め、方向感の定まらない動きとなった後、結局、前日比で小幅なマイナスで取引を終えている。

 セクターでは、保険業を筆頭に石油、情報通信が1%超の上昇をみせ、そのほか、金属、輸送、卸売業、医薬品などがプラス推移。一方、パルプ、精密、海運などがマイナスでの推移となっている。売買代金上位では、ソフトバンクG<9984>やSUMCO<3436>、楽天<4755>が大きく上昇しており、そのほか、トヨタ<7203>、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、信越化<4063>などが上昇。一方、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>、東エレク<8035>などがマイナスで推移し、OLC<4661>は2%を超える下げで目立っている。

 日経平均は、テクニカル的には、目先は25日移動平均線が上値抵抗線として作用しそうだ。下降に転じてきている25日線が75日線を上から下抜けるデッドクロスが視野に入りつつあることが嫌気される。ただ、終値ベースでは、年初からはほぼ23000~24000円内のボックス相場である。また、ここ1ヵ月間だけでみれば、1月17日高値と2月3日安値で形成する三角持ち合いとなっており、材料次第では、上下どちらにも放れる可能性がある状況だ。

 足元の先物手口を確認すると、18日に225先物で目立った売り越しを見せていたクレディスイスなど短期筋の買い戻しが昨日は鈍く、ショートカバーの動きが弱い印象だった。また、日経平均よりも長期資金の動向を映しやすいとされるTOPIX先物については、資金の出所が海外長期投資家とみられるゴールドマンサックスやJPモルガンによる売り越しが目立ってきている。短期筋および長期筋のどちらから見ても、足元の日本株に対する投資家の姿勢は芳しくない様子だ。

 ファンダメンタルズに視点を移してみても足元は明るい材料が見られない。先日出揃った主要企業を対象とした2020年3月期第3四半期決算では、累計ベースでの純利益が製造業で前年同期比24%減だっただけでなく、非製造業も同4%減とそろって減益だった。また、業績予想を変更した企業のうち半数を超える約6割が下方修正だった。先日発表された日本の19年10-12月期実質GDPも年率換算で6.3%減と市場予想を大きく下回る結果でセンチメントを悪化させた。

 今後の動きとしては、昨日にNT倍率が1992年4月ぶりとなる14倍台を記録したことからも、しばらくは新型肺炎関連のニュースフローに応じた先物主導の売買となりそうだ。このため、目先は、引き続き幕間繋ぎ的な形による新興市場での中小型株物色や材料株物色といった程度にとどまりそうである。

 ただ、新型肺炎のニュースが表面化される前、昨年末の時点では、確かに各国の経済指標にしても企業業績にしても底打ちの兆しが見られていた。そして、市場もこの従来のシナリオが完全に崩れたとまでは思っていないようだ。実際、景気下支え策に対する期待もあって、世界的に足元の株式相場は崩れていない。相対的に戻りの鈍い日経平均ですら年初からのボックス相場内で、大崩れしていない状況である。筆者自身も、従来の「年初底打ち・後半からの本格的回復局面入り」シナリオを維持しており、悪影響の程度としても、メインシナリオの時期が後ズレする程度で収まるのではないかと考えている。

 したがって、直近2、3期においてモメンタムが出ているような好業績銘柄などに対しては依然として前向きなスタンスで構え、新型肺炎関連のニュースに伴う全体相場への連れ安の際には、押し目買いの好機として捉えていきたいところだ。
(仲村幸浩)

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